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日米を問わず名選手を紹介。

大杉勝男(7)

2009-07-03 21:42:45 | Weblog
1973年から1975年は、大杉勝男にとって非常につらい年だったでしょう。年齢的には28歳から30歳であり最も充実する時のはずなのですが、年々打撃成績は落としていきました。特にヤクルト入団1年目は、打率0.237,13本塁打、54打点と、以前の彼の数字と比較すると、本塁打、打点は約半分、打率は7,8分落ちるという全く信じられない成績に終わりました。この当時の彼の打撃はバットの先がかなり投手寄りに傾き、その為かスイングの始動が遅く、度々詰まる場面を見せられた記憶があります。類稀なパワーを活かす事も出来ず、もはや強打者、豪打者大杉勝男を見る事なく、このまま衰退の一路を辿るのではないかとまで、心配する程の不振が続きました。翌1976年、当時のヤクルトの首脳陣の構想としては、前年の数字からレギュラーではなく、代打要員でした。打撃センスに素晴らしく恵まれた左の強打者、杉浦亨の台頭もありこの待遇はやむを得ない感すらありました。しかしここから、大杉勝男の逆襲といっていいのかどうか解りませんが、パリーグ時代とはタイプの違う大杉勝男の誕生となります。