鎌ちゃんの一日一考

写真と俳句(短歌)に取り組んでいます。
どちらも修行の身ですので、宜しくご指導お願いいたします。

蕗の薹

2015-02-27 18:02:05 | 写真俳句

故郷に秘密場所あり蕗の薹

(ふるさとにひみつばしょありふきのとう)

雪深き故郷だけに、蕗の薹はまだ少ししか出ていませんでしたが、

いつもの秘密の場所では、このように撮影できました。

 

浅春の故郷の味やほの苦く

(せんしゅんのこきょうのあじやほのにがく)

摘んできた蕗の薹を、早速このように味噌和えして・・・。

やっと雪が融けての蕗の薹ですが、

浅春の仄かな苦味を味わいました。

 


やどかり

2015-02-21 18:07:53 | 写真俳句

やどかりや所詮この世は仮住まい

(やどかりやしょせんこのよはかりずまい)

一昨年、ツイッターでつぶやいた「やどかり」の句に写真をつけました。

2012年、京都水族館での撮影のオウムガイです。

 

やどかりや返し忘れた鍵一つ

(やどかりやかえしわすれたかぎひとつ)

 2012年、京都水族館での撮影のカブトガニです。

 

やどかりや耐震工の金のなく

(やどかりやたいしんこうのかねのなく)

耐震強度の検査してもらった我が家ですが、

耐震工事するお金までなくて・・・・。

クラゲのように揺れるに、任せましょうか。

 

《お知らせ》

2月22日から数日間、ブログを休みます。

訪問、コメントもできませんのでご容赦ください。

 

       2月11日~20日のつぶやき句を32句にまとめました。

     鞦韆や雲に乗りたる女の子           鞦韆や遊び相手は雀だけ

     鞦韆の揺れを残せし夕餉かな         子沢山少子の里の春子かな

     ろばた焼きまずは春子に始まりぬ      この世にてあの世を思ふ野焼きかな

     いにしへの都たゆたふ野焼きかな      野火立ちて夜叉の見えたり隠れたり

     野火立ちて人の息吹や過疎の里       野火立つやヒトに鬼心の見え隠れ

     春雷やあっさり剥がす世間体          春の雷本音を吐きて孤独なる

     うろたえるなかれ一撃春の雷          おばちゃんの饒舌止まる春の雷

     花魁に思ひ人あり紅椿               紅椿由緒の古き寺にかな

     蹲踞の一つ浮かべて紅椿            春灯の下の別れのシーンかな

     春灯に見透かされたる本音かな       春灯に見たるあばたも笑窪かな

     春灯や北の新地は不夜の街         蜂の巣や我が有漏の身を抜け切れず

     蜂の巣や妻を女王蜂として           少年の日々を辿りて野老掘り

     少年の日々の山路や野老掘る        野老掘る昭和生まれの粘り腰

     ゆっくりと回る地球の雨水かな         言霊の幸ふ国の雨水かな

     戦なほ絶えざる星の雨水かな        泣き帰る子がもう笑ふ春暮かな

     何をせむ何かせねばと春の暮        おしゃべりの止まぬママ友春の暮

 

 

 


雨水

2015-02-19 17:24:00 | 写真俳句

水のある星に生得て雨水かな

(みずのあるほしにせいえてうすいかな)

 

頑なな脳を解さむうすいかな

(かたくななのうをほぐさんうすいかな)

 

人生の頁ゆるりと雨水かな

(じんせいのぺーじゆるりとうすいかな)

 


雁風呂

2015-02-17 16:42:47 | 写真俳句

現世は仮の止まり木雁の風呂

(うつしよはかりのとまりぎがんのふろ)

雁風呂=春の季語

秋に飛来するは、途中で休息するために、

木片を運んでくると信じられていた。

春になると、再び落としておいた木片をくわえて

海を渡って帰っていくのだと考えられていた。

海岸にまだ残っている木片があると、

それは日本で死んだ雁のものであるとして、供養のために、

旅人などに流木で焚いた風呂を振る舞ったという。

 

雁風呂や生命貰ひて今を生く

(がんぶろやいのちもらいていまをいく)

 雁の風呂貰ひて今を生く身かな(推敲句)


ブランコ

2015-02-15 16:39:56 | 写真俳句

半仙戯男の子言葉の少女かな

(はんせんぎおのこことばのしょうじょかな)

半仙戯=ブランコで春の季語。

先日、ツイッターで詠んだ句に写真をつけました。

 

シーソーは一人で漕げず半仙戯

(しーそーはひとりでこげずはんせんぎ)

半仙戯」はブランコが

半ば仙人になったような気分にさせることに由来するとか。

 

ふらここや少子の里の一人っ子

(ふらここやしょうしのさとのひとりっこ)

ふらここ=ブランコで春の季語。

 

 


風光る

2015-02-13 17:25:16 | 写真俳句

クロッカス眩しき風の生まれけり

(くろっかすまぶしきかぜのうまれけり)

 

クロッカス待つも待たすも恋の術

(くろっかすまつもまたすもこいのすべ)

クロッカスの花を見ると、昔流行った

「花は遅かった」という歌を思い出します。

♬ かおるちゃん遅くなってごめんね・・・・ ♬

 

初恋をはさんだ詩集草萌ゆる

(はつこいをはさんだししゅうくさもゆる)

何年か前に詠んだ句に写真をつけました。


雪割草

2015-02-11 17:26:09 | 写真俳句

越前の訛の少女糸繰草

(えちぜんのなまりのしょうじょいとくりそう)

オダマキの花(糸繰草)です。

 

耐へて生くことを知りけり雪割草

(たえていくことをしりけりゆきわりそう)

雪割草でなく、ユキワリイチゲです。 

 

       2月1日~12日のつぶやき句を32句にまとめました。

    野施行やボールと戯るる野良一匹      野施行や葷酒山門に入るのあり

    冬の果ヒトに悪魔の棲むを知り       鬼やらひヒトの性善信じたく

    光合成のいよよ眩しく冬の果        冬の果小さき野花の咲きたれば

    明日への最終ページ冬終る         戦争がすぐそこにあり鬼やらひ

    ほろ酔いの鬼の顔して福は内        立春や何か忘れてきたやうな

    立春やおでき気になる鼻の下        新しく捲るページや春立ちぬ

    トンネルに出口入口寒明くる        寒明けや上り下りは同じ数

    ひらひらと巫女の裳裾や寒明くる      ゴミ出しの交はす挨拶寒明くる

    脇役の暮らし変はらず春鴉         名優は時に動じず春鴉

    公園のけんけん遊び春鴉          春鴉ヒトに生まれた幸不幸

    海苔干すやをみな潮焼け節くれ手      海苔干すやわづかばかりの無頼秘め

    針供養男八十路のやもめかな        針供養祖母の縫い糸通しけり

    海苔干すや原発岬見ゆる浜         針供養綻び縫へる武骨漢

    壺焼や越前荒磯に育まれ          壺焼や寝ている間の軍靴音

    壺焼や東尋坊の節理岩           数学の誘ふ眠気や浅き春

    春眠や円周率に限りなく           女生徒はみんな生足春浅し


踏絵

2015-02-09 16:58:36 | 写真俳句

日和見に生きて眩しき踏絵かな

(ひよりみにいきてまぶしきふみえかな)

「踏絵」は春の季語なんですね。

写真は、去年、オルゴール展で撮ったものです。

 

幾たびの踏絵越えきて六十路かな

(いくたびのふみえこえきてむそじかな)

齢を重ねると、踏絵を踏む思いで切り抜けてきたことも多い。

 

山深き隠れの里の踏絵かな

(やまふかきかくれのさとのふみえかな)

当市の山中に、隠れキリシタンの里があります。

 


余寒

2015-02-07 18:25:44 | 写真俳句

ではまたと去り行く背の余寒かな

(ではまたとさりゆくでなのよかんかな)

「じゃまたね」の裏には、経験上、

「これでお別れだよ」の意味が込められていることが多い。

 

抜き足も差し足もなき余寒かな

(ぬきあしもさしあしもなきよかんかな)

いつの間にかやってくる残り寒、

帰っていく様子もなし。

 

言ひ訳けてその場逃れぬ余寒かな

(いいわけてそのばのがれぬよかんかな)

苦しい言い訳には、後ろめたさがつきまとう。

 


春立つ

2015-02-05 17:01:07 | 写真俳句

明日へと捲るページや春立つ日

(あしたへとめくるぺーじやはるたつひ)

 

よみがえる青春の賦や節分草

(よみがえるせいしゅんのふやせつぶんそう)

 

春立ちぬ小さき生命の輝きて

(はるたちぬちさきいのちのかがやきて)

ユキワリイチゲの花です。