鎌ちゃんの一日一考

写真と俳句(短歌)に取り組んでいます。
どちらも修行の身ですので、宜しくご指導お願いいたします。

神無月

2015-11-30 15:45:28 | 写真俳句

神無月郷の社に古き絵馬

(かんなづきさとのやしろにふるきえま)

 

神仏の無きが如き世神無月

(しんぶつのなきがごときよかんなづき)

 

11月の写真俳句を、デジブック アルバム にまとめました。

 

       11月21日~30のつぶやき句を32句にまとめました。 

     髭爺の兎を捌く手並みかな           野兎や丹波の深き山の里

     野兎の猟師と見合ふひと間かな       野兎の目に一瞬の躊躇かな

     石炭や地底より湧く労働歌          石炭が燃えると知りてびっくりぽん

     石炭や明治開化はかくてより        石炭に盛へ石炭に廃れけり

     次の風待つ残り葉や一葉忌         小雪の鶏鳴高く明けにけり

     年金に生きる勤労感謝の日         小雪や仏事の明けて二日酔ひ

     冬晴れや裏日本といふなかれ        冬ざれや三行半の別れ文

     芭蕉忌やナビなき旅に似る余生       熊狩や山の吊り橋軋む音

     熊狩や昔出征したといふ            故郷の籠りに入る冬田かな

     朝の陽に白き気立てる冬田かな        日野山に抱かれ眠る冬田かな

     白波の一直線に冬始め             初冬や生涯学習老いばかり

     鯛味噌や駅弁売りの名調子         名物に美味いものあり鯛の味噌

     鯛味噌や家代々の手前味噌         鯛味噌や坊様つひにコップ酒

     登校の近道なりき冬田道            雑踏に揉まれて孤独三の酉

     三の酉さすがに福は値切れずに       父さんの大きな背中三の酉

     狼になれぬ漢や純情派             老狼の黙して群を去りにけり


柿花火

2015-11-28 16:29:20 | 写真俳句

故郷の空の広さや柿花火

(ふるさとのそらのひろさやかきはなび)

 

むなしくも憂き世に朽つや柿花火

(むなしくもうきよにくつやかきはなび)

 

吊るし柿暮しの端をかざしつつ

(つるしがきくらしのはしをかざしつつ)

 


芭蕉忌

2015-11-26 15:39:07 | 写真俳句

芭蕉忌や残る旅路は急かずとも

(ばしょうきやのこるたびじはせかずとも)

芭蕉は、旧暦元禄7年10月12日に大阪で亡くなった。

新暦では、今年は11月23日だったそうです。

 

病み臥せば夢野を駆ける芭蕉の忌

(やみふせばゆめのをかけるましょうのき)

 

憂国忌命のなんと軽き世か

(ゆうこくきいのちのなんとかろきよか)

憂国忌は11月25日

 


一葉忌

2015-11-24 14:03:56 | 写真俳句

純愛の日々のありけり一葉忌

(じゅんあいのひびのありけりいちようき)

11月23日は、一葉忌でした。

一日遅れましたが若かりし頃を思い出して。

 

一葉忌どれも一途な恋なりき

(いちようきどれもいちずなこいなりき)

 

懐の賑はひ少し一葉忌

(ふところのにぎわいすこしいちようき)

 

       11月11日~20日つぶやき句を34句にまとめました。

     北前船の交ひたる海や冬茜         過ぎしことさらり流そう冬茜

     冬茜彼方に浄土あるといふ         むささびや猿出没す宮の杜

     むささびや忍者ごっこの宮の杜       むささびや天狗飛びそな鞍馬山

     特急の残して往きぬ落葉風         落葉掃く余生数ふる誕生日

     落葉掃く人なく過疎の宮参道        落葉掃く水子地蔵の掌にひと葉

     明日あると思ふ幸せ麦を撒く        怒ったり嬉しかったり冬茜

     鯛焼や飲み屋帰りの二刀流         鯛焼を買ひて施設の母見舞ひ

     麦撒きや老いて平和なるが夢        泣き虫がけふは凛々しく七五三

     鯛焼やひとまずメタボ棚にあげ       冬鷺や水面に映すナルシスト

     みどり児や母の乳房の綿のごと       綿入れを着て里人となりにけり

     綿入れや昭和はセピア色になり       九十の婆も集ひて川普請

     里に生れ里に老いけり川普請        川普請やがてダム湖に沈む村

     検診の結果まだ出ず食う鱈子        ちっぽけなこれが至福か鱈子食ぶ

     紅葉子の粒一粒の生命かな         鮟鱇やつくづくヒトの罪深さ

     鮟鱇の閉ぢてやりたき眼かな        鮟鱇の吊るされ迷ふ冥府かな

     時雨るるや別れを惜しむはしご酒      薄墨に遠峰隠して時雨けり

     人待ちの道頓堀の時雨かな         鮟鱇の仏頂面で吊られけり 


木の葉髪

2015-11-18 17:09:48 | 写真俳句

去るものは追はずと言へど木の葉髪

(さるものはおわずといえどこのはかみ)

 

木の葉髪泣いて笑って羅漢像

(このはかみないてわらってらかんぞう)

 

老いてなほ怪気炎かな木の葉髪

(おいてなおかいきえんかなこのはかみ)

 

度重なりますが、20日より、ブログを数日休みます。


蕎麦湯

2015-11-16 16:51:16 | 写真俳句

二杯目は遠慮がちなる蕎麦湯かな

(にはいめはえんりょがちなるそばゆかな)

 

故郷の駅の立ち食い蕎麦湯かな

(ふるさとのえきのたちぐいそばゆかな)

 

愛のなき彼より君のそば湯かな

(あいのなきかれよりきみのそばゆかな)

 


縄跳び

2015-11-14 16:30:12 | 写真俳句

縄跳びや三つ数へて誇り顔

(なわとびやみっつかぞえてほこりがお)

 

縄跳びや路地に弾けるじゃんけんぽん

(なわとびやろじにはじけるじゃんけんぽん)

 

縄跳びや人に大波小波あり

(なわとびやひとにおおなみこなみあり)

 

       11月1日~10日のつぶやき句を34句にまとめました。

      海の無き丹波の里や鰯雲            山のまた山を泳ぎて鰯雲

      鯱鉾の泳ぐ大海鰯雲                鯖雲や越前土産鯖へしこ

      新蕎麦や丹波を後にする朝           しとど雨降る丹波路や走り蕎麦

      ぶっかけが通ぞ越前走り蕎麦         熟柿落つ如く逝きたしピンコロリ

      無住家の朽ちゆく屋根や熟柿落つ      静寂やあれは熟柿の落ちし音

      柿熟す北国街道宿の跡              シルバーに託す里家や冬用意

      無住家のめくる暦や冬用意           冬用意柱時計のねじを巻き

      愚痴一つぐいと飲み込み菊膾         びっくりぽんもってのほかが季語ぞとな

      添へ物の暮らしに飽きて菊膾         好き嫌いやぼなことなどきくなます

      ご他言はもってのほかぞ隠し酒        全山の読経に深む紅葉かな

      勝尾寺の達磨の睨む紅葉かな        鞍馬寺の天狗の団扇紅葉づれり

      特急の通過せし駅秋終わる          惜秋や逆転サヨナラホームラン

      行きずりの立ち飲み酒やそぞろ寒      遠ざかる背中が一つ落葉道

      立冬や裸のままのロダン像           断ち切りししがらみ一つ冬に入る

      故郷の帰途を閉ざせり冬怒涛        冬海や明日を指さす少女像

      越前の冬の怒濤や遠汽笛          栂池に酌みしあの夜の菜漬かな

      京に名を成せし老舗や茎菜漬        茎漬や村に嫁御の来るさうな

 


立冬

2015-11-08 15:52:19 | 写真俳句

無住寺に褪せる仏や冬に入る

(むじゅうじにあせるほとけやふゆにいる)

 荒れ寺に朽ちる仏像冬に入る

こちらの方が、実感に近い

 

立冬の決断つかぬ朝寝かな

(りっとうのけつだんつかぬあさねかな)

 

立冬の雨やコリウス彩なして

(りっとうのあめやこりうすあやなして)

 

 11月10日より、数日、ブログを休みます。


秋惜しむ

2015-11-06 17:06:26 | 写真俳句

秋惜しむアリアのむせび泣く如く

(あきおしむありあのむせびなくごとく)

 

叶わぬと知れど恋文末の秋

(かなわぬとしれどこいぶみすえのあき)

 

寄り添ひてあれど寂しき末の秋

(よりそいてあれどさびしきすえのあき)

 


福知山城

2015-11-04 16:58:00 | 写真俳句

光秀の統べし天守や秋高し

(みつひでのすべしてんしゅやあきたかし)

京都府福知山市の福知山城天守閣です。

 

天高し天の岩戸の開きし如

(てんたかしあまのいわとのあきしごと)

福知山城のライトアップ用のライトです。

 

鯱鉾の睨む浮き世やそぞろ寒

(しゃちほこのにらむうきよやそぞろさむ)