紅葉散る懐旧の歌詠む如く
(もみじちるきゅうかいのうたよむごとく)
散り初むる木の葉大沢池にかな
(しりそむるこのはおおさわいけにかな)
浄土への途をば問はむ散り紅葉
(じょうどへのみちをばとわむちりもみじ)
大覚寺、大沢池の周遊路にて。
浄土への道かくあるや枯蓮
(じょうどへのみちかくあるやかれはちす)
真言の炎なるかな冬紅葉
(しんごんのほのおなるかなふゆもみじ)
京都の大覚寺へ、紅葉吟行してきました。
大覚寺は、真言宗大覚寺派の総本山。
嵯峨帝の御光なるかな冬紅葉
(さがていのぎょこうなるかなふゆもみじ)
大覚寺の前身は、嵯峨天皇が建立された、離宮嵯峨院である。
村雨をくぐれば燃ゆる冬紅葉
(むらさめをくぐればもゆるふゆもみじ)
大覚寺には“村雨の廊下”があり、
そこをくぐって、燃える紅葉に出会いました。
あたふたと野良の逃げ来る鰤起し
(あたふたとのらのにげくるぶりおこし)
今回の帰省では、激しい雷(鰤起し)、雨、霰の連日でした。
野良も、たまらず軒下に逃げ込んできました。
雪囲い頼みて下ろす荷のひとつ
(ゆきがこいたのみておろすにのひとつ)
今回の帰省の目的の一つは、無住になった家の、雪への備えでした。
近所の方に雪囲いをお願いして、肩の荷を一つ下ろしました。
不器用に逝きし男や枯れひと葉
(ぶきようにいきしおとこやかれひとは)
高倉健さんのご冥福お祈りいたします。
あたふたと交はす挨拶初霰
(あたふたとかわすあいさつはつあられ)
越前に帰省してきました。
霰が降ったり、強烈な雷が鳴ったり、虎落笛を聞いたりと、
連日、冬の嵐の状態で、雪国らしい様相を濃くしていました。
黄落やいつか疎遠になりし人
(こうらくやいつかそえんになりしひと)
秋の季語ですが。
八十路にも嫉妬はあらし枯葉雨
(やそじにもしっとはあらしかれはあめ)
あらし⇒あるらしい
カーラジオで聞いた話を思い出しながら、詠んでみました。
故郷は連日の嵐で、枯葉雨の状態でした。
心の荷ひとつ降ろさむ木の実落つ
(こころのにひとつおろさんこのみおつ)
立冬を過ぎましたが、今回の3句は、秋の季語で詠んでみました。
降らむかな風を見据えて松ふぐり
(ふらんかなかぜをみすえてまつふぐり)
先日の地域の文化展で出されていた作品を使わせていただきました。
長き夜や義父の遺しし屏風の書
(ながきよやちちののこししびょうぶのしょ)
しりとり五七五参加句(推敲)で、「屏風」に繋ぎました。
義父の書ですが、何て書いてあるのでしょう?
どなたか、読んでください(汗)
↓
さくらひめさん、たんとさんありがとうございました。
春の夜は桜に飽きてしまひけり
春の夜は桜に明(あけ)てしまひけり
立冬の根性入らぬ目覚めかな
(りっとうのこんじょういらぬめざめかな)
ツイッター句に写真をつけました。
7日の立冬の朝、予定より1時間も寝過ごしました。
街の灯の囁く如く冬満月
(まちのひのささやくごとくふゆまんげつ)
人形の秘密めく笑み冬満月
(にんぎょうのひみつめくえみふゆまんげつ)
11月7日の満月です。
付け足し句「立冬や季語重なりの満の月」
トリトマの燃え立つ朱や冬に入る
(とりとまのもえたつあかやふゆにいる)
京都府美山町の“かやぶきの里”の続きです。
冬立ちてはんなり響く“おくどさん”
(ふゆたちてはんなりひびくおくどさん)
竈(かまど)のことを、“おくどさん”という京言葉、
はんなりしますな~~。
田仕舞や訥々昔を語る老い
(たじまいやとつとつむかしをかたるおい)
田仕舞=晩秋の季語(秋収めの傍題)
山深きかやぶき里や芒原
(やまふかきかやぶきさとやすすきはら)
京都府の美山町「かやぶきの里」その2です。
かやぶきの家それぞれに冬支度
(かやぶきのさとそれぞれにふゆじたく)
空を刷くパンパス草や冬隣
(そらをはくぱんぱすそうやふゆどなり)
ツイッター句に写真をつけました。
妻の撮影です。
我が丈を越えるパンパスグラスです。