鎌ちゃんの一日一考

写真と俳句(短歌)に取り組んでいます。
どちらも修行の身ですので、宜しくご指導お願いいたします。

丹波より(その7)

2014-07-31 19:01:47 | 写真俳句

吽形の憤怒してゐる酷暑かな

(うんぎょうのふんぬしているこくしょかな)

福知山市観音寺の山門にて撮影。

 

恋多きをみなありけり蝉しぐれ

(こいおおきおみなありけりせみしぐれ)

京都府京丹波町にて撮影。

恋多き和泉式部の卒去地とされる。

 

7月中の写真俳句を デジブック と アルバム にまとめました。

 

       7月のつぶやき句を、自選34句にまとめました。

    蚊の声や一茶爺にはなれずして         古池の鯉の揺らせし浮葉かな  

    黴の香や古き写真に青春歌           客の無き田舎のバスや青田道

    金魚玉人棲む星の小さきこと          瀬の音の耳より消えてより暑く

    鳥発ちて青蘆のまた静もれり          故郷の青田の風に溺れけり

    いとさんの愛染駕籠や初浴衣          初浴衣人情夜話の法善寺

    地球儀の隅に日本メロン食む          地球儀に子午線緯線メロン食む

    うらぶれの裸電球蠅りぼん           茉莉花の闇に深まる香りかな 

    羅や傷つきやすき青春期            羅やすぐさまばれる嘘をつき

    羅にあらぬ九条集自権              魂の盗まれさうな大暑かな

    不動明王の睨みなお増す大暑かな       慈しむ如来の像やけふ大暑

    少年の無口に食めり初なすび          子へ孫へ秘伝糠漬け初なすび

    野良二匹まず迎へくる帰省かな         帰省子やダム湖に沈む通学路

    親心知らぬ子心夏雲雀             越えられぬ親の高みや夏雲雀

    独居死を知りて激しき驟雨かな         現世にすがる未練や蝉の殻

    なけなしの万札消ゆる鰻の日          生き難き世に永らへむ鰻の日

    まだ恋と知らぬあの頃夏の茱萸         夏茱萸や幼き恋と囃されて

    脳天を突き破りけりかき氷            かき氷勝つて高らに校歌かな

 


丹波より(その6)

2014-07-29 18:49:32 | 写真俳句

お休みを告げる有線木葉木菟

(おやすみをつげるゆうせんこのはずく)

 妻の里では、夜8時半になると「おやすみなさい」の放送が入ります。

 

涼風や肥の香を仄と運びきて

(すずかぜやひのかをほのとはこびきて)

 これも田舎の臭いでしょうか。

肥料や鶏舎の臭いが漂ってきます。


丹波より(その5)

2014-07-27 19:01:10 | 写真俳句

暮れなずむ丹波の山や不如帰

(くれなずむたんばのやなやほととぎす)

今回の帰省で、一番耳についたのが、ホトトギスの声でした。

早朝から暮れるまで。

 

時鳥鳴きつる辺より明けにけり

(ほととぎすなきつるへよりあけにけり)

 

朝告ぐる里の有線時鳥

(あさつぐるさとのゆうせんほととぎす)

妻の故郷では、朝6時半に有線放送が流れ、

朝を知らせます。

もうホトトギスの鳴き声も盛んな時刻です。


丹波より(その4)

2014-07-25 18:49:34 | 写真俳句

酉の刻告げる鐘の音端居風

(とりのこくつげるかねのねはしいかぜ)

 

あれこれと鳥の語を聞く端居かな

(あれこれととりのごをきくはしいかな)

ホトトギス、鶯、燕など、色んな鳥たちの鳴き声が聞こえてきました。

 

刻々と暮るる丹波の端居かな

(こくこくとくるるたんばのはしいかな)

 


丹波より(その3)

2014-07-23 18:27:36 | 写真俳句

これやこのいく野の道の青田かな

(これやこのいくののみちのあおたかな)

妻の故郷、丹波路編の続きです。

百人一首の

「大江山いく野の道の遠いければまだ ふみもみず天の橋立  小式部内侍」

の所縁の地、福知山市生野です。

国道9号線の看板を撮影。

 

生き急ぐ夏蜩の哀れかな

(いきいそぐなつひぐらしのあわれかな)

蜩といえば秋の季語。

妻の実家では、早々と鳴く声が溢れていました。

 

窓開けて青田の風を迎へけり

(まどあけてあおたのかぜをむかえけり)

妻の実家にて。

やはり田舎の風は涼しい。

窓を開け放つと、いい風が入ってきました。


丹波より(その1)観音寺1

2014-07-19 18:37:16 | 写真俳句

あぢさゐの寺や盛りを過ぎてなほ

(あじさいのてらやさかりをすぎてなお)

妻の実家のある、丹波福知山へ帰省してきました。

福知山には、紫陽花の寺として名高い、観音寺があります。

盛りはかなり過ぎていましたが、雰囲気を味わうことができました。

 

 

子仏の迎へるあぢさゐ巡りかな

(こぼとけのむかえるあじさいめぐりかな)

 

 

あぢさゐを潜り観音巡りかな

(あじさいをくぐりかんのんめぐりかな)

こんな細道にある観音祠を巡り登って、本堂に向かいます。

観音寺巡りは次回も続きます。


冷酒

2014-07-14 18:32:09 | 写真俳句

口づけの如く冷酒飲みにけり

(くちづけのごとくひやざけのみにけり)

 

冷酒や下戸の詠みたる句の美味く

(ひやざけやげこのよみたるくのうまく)

俳句を肴に交わす酒です。

 

白百合の狭庭に香る夕べかな

(しらゆりのせにわにかおるゆうべかな)

 

7月15日より数日留守に致します。


溽暑

2014-07-12 18:44:14 | 写真俳句

もうふて寝するより他なき溽暑かな

(もうふてねするよりたなきじょくしょかな)

 

皿数ふ菊の心地す溽暑かな

(さらかぞうきくのここちすじょくしょかな)

 

魂の盗まれさうな溽暑かな

(たましいのぬすまれそうなじょくしょかな)

 


紫陽花

2014-07-10 15:58:51 | 写真俳句

老い母やあぢさゐ部屋のひととなり

(おいははやあじさいべやのひととなり)

母が自立支援ハウスに入りました。

その引越しのための帰省でした。

その部屋の名が「紫陽花」です。

 

紫陽花やよべの激しき雨あがり

(あじさいやよべのはげしきあめあがり)

母の引っ越しの朝、激しい雨があがりました。

 

九条の涙なるかな梅雨しとど

(きゅうじょうのなみだなるかなつゆしとど)

帰省の間に、憲法9条が骨抜きになる、閣議決定がなされてしまいました。

 

パソコンがダウンして、新規購入しました。

大出費です。

慣れるまで、失礼があるかと思いますが、ご容赦ください。