現世は仮の止まり木雁の風呂
(うつしよはかりのとまりぎがんのふろ)
雁風呂=春の季語
秋に飛来する雁は、途中で休息するために、
木片を運んでくると信じられていた。
春になると、再び落としておいた木片をくわえて
海を渡って帰っていくのだと考えられていた。
海岸にまだ残っている木片があると、
それは日本で死んだ雁のものであるとして、供養のために、
旅人などに流木で焚いた風呂を振る舞ったという。
雁風呂や生命貰ひて今を生く
(がんぶろやいのちもらいていまをいく)
雁の風呂貰ひて今を生く身かな(推敲句)