反抗期迎へし少女花八手
(はんこうきむかえししょうじょはなやつで)
石蕗の花心優しき少女かな
(つわのはなこころやさしきしょうじょかな)
11月11日~20日のツィッターのつぶやき句をまとめました。
(一部省略、一部推敲)
パソコンに向かふ毛布を膝にかけ 老いぬればせんべい蒲団心地良く
陽の恵み戻して甘き干大根 悩み事一つ解かして返り花
B面の暮らしに飽きて返り花 顔色にときめきの出て返り咲き
身の上を問はず語らず返り花 逞しき戦後昭和や返り花
焼き鳥や雀激減せしといふ 焼き鳥を焼けるおやじの禿げ頭
立ち飲みの尻が並びて焼き鳥屋 焼き鳥の赤提灯やガード下
柳枯るいで湯の里の下駄の音 葉つける日我にもあるや枯柳
老いてなほしなやかならむ枯柳 待ち合ひの橋の柳も枯れにけり
小夜時雨でんぐり返しで逝きにけり 無口なる祖母でありけり毛糸玉
毛糸編む祖母のずれたる眼鏡かな 足跡を残せず人生暮早し
また一つ重ねし齢暮早し 立ち話す若き二人や暮早し
歳月は時に無慈悲に暮早し 暮早し地軸傾くこの星の
哀しきは老老介護浮寝鳥 浮寝鳥なみだ雨降る北新地
浮寝鳥“道頓堀(とんぼり)人情”ふと浮かび 浮寝鳥新地のママの老いにけり
引退の長老議員木の葉髪 木の葉髪排水口をふさぐまで
老いてなほ怪気炎かな木の葉髪 村時雨泣いて笑つて羅漢かな
故郷の駅の立ち食い蕎麦湯かな 不揃いの己が手打ちの蕎麦湯かな
愛のなき彼より君のそば湯かな 節くれの祖母の手打ちの蕎麦湯かな
炉辺咄外は戸叩く風しきり 夜咄の燻ぶる薪の煙かな
夜咄や褥に交はす睦み言 炉辺咄とんとん戸叩く地蔵かな
解散やこんがらがりし毛糸取り
(かいさんやこんがらがりしけいととり)
ツィッターで出された、「毛糸」の季語で詠みました。
子どものとき、祖母に毛糸取りを手伝わされたものです。
こんがらがったら大変。
衆議院も、こんがらがった状態で解散しましたね。
しかも、14政党乱立とか。
こりゃ、ますますこんがらがります。
散紅葉乾坤一擲解散す
(ちりもみじけんこんいってきかいさんす)
野党のみならず、身内からも反旗が揚って、
孤立状態の首相の、乾坤一擲の解散。
多分、敗北覚悟の一手、政治生命を賭したというべきでしょうか。
紅葉のように、美しく散る?
本当は、解散なんて、やっている場合じゃないのでしょうが・・・・。
京なれば雅に冬の海月舞ひ
(きょうなればみやびにふゆのくらげまい)
今回も、京都水族館での写真です。
舞妓さんの「都をどり」でもないのですが・・・・。
面相の孤独に冬のかさごかな
(めんそうのこどくにふゆのかさごかな)
面相の悪さ、まるで自分を見ているようで・・・・。
寂しいね~~。
11月1日~10日のツィッターのつぶやき句をまとめました。
(一部省略、一部推敲)
秋寂や古りし館の手水鉢 秋寂や人ゐぬ家の池の鯉
鯉跳ねて後の静寂(しじま)や秋寂し 北前でふるひし港秋日和
やや寒や水琴窟の音澄みて やや寒や今年生まれの野良独り
やや寒や熊の眠れぬ山となり 秋日射す北前船主の館庭
大橋を渡れば阿波ぞ酢橘の実 酢橘の実酸っぱき想い一つあり
木酢搾り親父料理を仕上げかな さりげなく酢橘搾りて女将味
心して中国史読む文化の日 冬めくや京街中の道祖神
冬めくや供養人形飾る寺 薬より効能ありて温め酒
晩菊や晩成ならず六十路半 晩菊を生けて狭屋の灯しかな
晩菊の老い母見つむ先に咲き 晩菊や忘れた歌を思い出し
夜すがらの秋の別れの雷雨かな まだ流す涙あるらし秋の果
芳しき蜜に誘われ秋の蜂 “元気か”と母の電話や今朝の冬
灯油売るメロデイ聞こえ冬に入る 散歩する犬息荒く冬に入る
冬来りめくり忘れの暦かな 許されぬ恋物語初時雨
父さんの背に乗り担ぐ熊手かな 酉の市飲み屋のママの殊勝かな
酉の市オバマ景気の如何にかと スーツ着て社用詣りの酉の市
ブロ友の別れの一句冬の虫 青春を歌う老歌手冬の虫
虫の老い新党叫ぶ血気かな 虫老ゆる昔歌ひし恋の歌
縄跳びの少女もお歳頃となり ゆきちゃんの縄跳び上手絵も上手
縄跳びに入れぬままに老いにけり 縄跳びやすうじ遊びのわらべ唄
来し方の縄跳び大波小波かな