鎌ちゃんの一日一考

写真と俳句(短歌)に取り組んでいます。
どちらも修行の身ですので、宜しくご指導お願いいたします。

春の夢

2015-03-30 16:25:37 | 写真俳句

酔ひどれて浸る望郷土筆んぼ

(よいどれてひたるぼうきょうつくしんぼ)

今回の2作は、しりとり五七五参加句に写真をつけてみました。

「酔ひ」に繋いだ一句です。

 

虚と実とはざま漂ふ春夢かな

(きょとじつとはざまただようしゅんむかな)

しりとり五七五、「虚」に繋いだ一句です。


取木

2015-03-28 17:10:44 | 写真俳句

取木して継ぐべきことのなき身かな

(とりきしてつぐべきことのなきみかな)

 一昨年のツイッター句に写真をつけました。

 

見え張りは遺伝なるらし取木苗

(みえはりはいでんなるらしとりきなえ)

  一昨年のツイッター句に写真をつけました。

どうも見栄っ張りな私で、困ったものです。


春色

2015-03-23 17:08:08 | 写真俳句

春色を涙の色と覚えけり

(しゅんしょくをなみだのいろとおぼえけり)

春は別れの季節でもあります。

別れの涙を流されている方も多いのでは?

写真の花はルピナスですが、雨滴がそれとなく残っているんです。

 

旅立ちの若人街に春の色

(たびだちのわこうどまちにはるのいろ)

春色は、新しい門出の、若人の色でもありますね。

 


春分

2015-03-21 17:40:56 | 写真俳句

春分や延命水に人の列

(しゅんぶんやえんめいすいにひとのれつ)

 

春分や向き定まらず風見鶏

(しゅんぶんやむきさだまらずかざみどり)

一昨年に詠んだ句に写真をつけました。

寒さが戻るのか暑さに向かうのか、そんな春分です。

 

      3月11日~20日のつぶやき句を32句にまとめました。

    馬型の去年の雪かな耕始め         馬型の去年の雪かな農暦         

    汚染水垂れるを隠す春怒かな        椿落つ美人薄命てふさだめ

    病む目にも紅鮮やかに椿落つ        椿落つ紅鮮やかに今朝の夢

    たらの芽や腕白盛りの日々のこと      たらの芽や昔むかしのかくれんぼ

    たらの芽や甘くて苦き若き日々        たらの芽や田舎母校の同期会

    初蝶や舞妓の指のひらひらと         初蝶や知覧を発ちし特攻機

    初蝶の睡魔を誘う授業かな          初蝶や祇園舞妓のお店出し

    さらばえてまた咲くを待つ桜かな      少年の日々を探して蕨採

    野仏の見つめる先の蕨採           蕨採地権不明に過疎の山

    過疎里を賑やかすかな鴉の巣        刻々と里の夕暮れ鴉の巣

    すごすごと野良負け帰る鴉の巣       年金にしのぐ日々かな浮氷

    現役の夢に覚めけり浮氷           漂へる人の心や浮氷

    明日てふ不確なものや浮氷         入り彼岸寺の小隅に決めし墓地

    入り彼岸認知の僧の読経かな        いにしへの鯖街道や蓬摘む

    旅立ちや学びの庭の白木蓮         秘め置けぬ恋のときめき鳥さかる

    純情派と言はれ老いけり鳥の恋       声色に出るときめきや鳥の恋

 


春愁

2015-03-19 17:59:19 | 写真俳句

春愁や恋に恋せし日のありき

(しゅんしゅうやこいにこいせしひのありき)

 

すぐばれる嘘つくあいつ春の愁

(すぐばれるうそつくあいつはるのしゅう)

ピンボケの上に、背景がまずい写真でお恥ずかしい。


受験子

2015-03-13 16:37:29 | 写真俳句

受験子の出征ありし齢かな

(じゅけんしのしゅっせいありしよわいかな)

受験指導をしながら、こんな年頃から

出征した子もあるのだろうかと、

つくづく思っていたものでした。

 

受験子のそろりと襲ふ睡魔かな

(じゅけんしのそろりとおそうすいまかな)

暖かな受験室で、こんな受験生もありました。


東日本震災忌

2015-03-11 09:38:35 | 写真俳句

春愁と怒りと希望東北忌

(しゅんしゅうといかりときぼうとうほくき)

東日本大震災から4年。

遅々として進まぬ復旧・復興、

被災地の皆様の思いさぞかしと思い、詠みました。

写真は、クロメヤナギです。

「東北忌」というのは季語でないと思うのですが。

 

子よ妻よ春風に訊く電話かな

(こよつまよはるかぜにきくでんわかな)

岩手県大槌町に大震災のあと設置された

「風の電話ボックス」を詠みました。

 

      3月1日~10のつぶやき句を34句にまとめました。

    春の夕あれは出船か入り船か        遠日野に微か残り陽春の夕

    もう会へぬ人の背中や春の夕        春夕や来ない人だと知りてなほ

    土の春子らの声なき里となり         黒々と日野山麓や土の春

    春土と認知入りたる農婆かな         来し方を思ひ臥せ居る古雛かな

    古雛や過去より寄せる童唄          古雛の時代の流れのやつれかな

    梅東風やからからからと祈願絵馬      梅東風や恋の成就の祈願絵馬

    梅東風や百度参りのをみなの背       梅東風て天神様の多忙かな

    潮焼けの浜のをみなや若布干す       若布干す夫の大漁船を待ち

    若布干す浜の男に惚れてより        啓蟄や働き虫の老農夫

    啓蟄や出過ぎて打たる杭のあり       啓蟄や出ては打たれて強くなり

    愛犬と戯る少女青き踏む           園児らの弾む歩調や青き踏む

    老木の秘めし力や地虫出づ         白鳥引く身の上つひに語らずに

    生きるとは限りなき旅白鳥引く        故郷はこの星とぞや白鳥引く

    国境のなき平和かな白鳥引く        信楽の狸と並び苗木売

    ハンチング粋に被りて苗木売        信楽の狸と似たり苗木売

    春情や滴の歌ふ雨の歌            春情や白磁の白に挿す一枝

    春愁や言ひにくきこと言はぬまま      春愁や己が身の上知らぬ野良