トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

油断も隙もある

2020-06-14 | 小人閑居して憮然
 いつもの水見回り、「林接池に水が無い!」。理由は単純明白、梅雨に入っての降雨で増水した結果、水取入れ口が埋まってしまったのだ。まともな土壌ならここまで水を失う事は無いけれど、下棚へ林床を通り「ダダ漏れ」の棚なのだった。明らかな漏水部は見いだせないけれど下棚の二つ池へは法面から絞り水として出ているのは防ぎようがない。
 ヤナギ林の林床であるための水漏れかどうかわかりかねるが、隣接池の水域にはヤナギの細根が刈り取れるほど、あの歌舞伎の獅子頭頭髪のように溢れているのだ。

 この池の漏水防止は防水シートしかないだろうと思いつつ、そこまでコストを掛ける懐も無いから、とにかく水取り入れ口のパイプの掃除で水を通した。一晩あれば満水位になるだろう。
 ここはヤブヤンマの好適産卵場所として設えたのだが、もちろん公的産卵地とは異なる。水源地の取水堰の復旧さえしない公がトンボの産卵地を造成するなど考えられぬ事態だからだ。この谷地に「水など送る理由はない」のが結論だろう。まあ、保全する立場では「油断でなく「水断」、隙でなく「漏水」だから「水断も漏水もありゃあしない」などは夢のまた夢。

ササユリの季節

2020-06-14 | 小父のお隣さん
 ササユリの咲く頃となった。6日の会友だけのイベント「観察会」でササユリの開花株が見られたとの代表からの話しがあり「それでは…」と小生は翌日に林内に入ってみた。既に萎んだ花びらもあったけれどこれから最盛期と言う感じで開かない蕾も多数目についたのだった。
 このササユリ、年々その数を減らし開花すれば盗掘されるというパターンが収まらず、一時は人工授粉させ花弁を外すなどの処置も行ったけれど「花弁を失った開花株」ではあまりにも哀しい現実だった。あの歌「フランシーヌの場合はあまりにもお馬鹿さん フランシーヌの場合はあまりにも哀しい」てなもんや三度笠で、数年で止めてしまったけれど、その当時採種し、ばら撒きした種子が育ったのかどうか探せばわずかだが姿がある。

 しかしまとめて蒔いた一角に多数花を見た数日後には全て盗掘され、それからは種子の散布は止めた。ヤマユリは採種したくても開花株を見る事が出来なくなって数年、フイールド周辺では絶滅したのだろうと推測している。観察会などは幾つかあって折々に案内しているようだけれど、これが入り口となり盗掘者が闊歩するのは容易に想定できる。
 10年にもなろうか、観察会ご一行から離れてついていくお二人様の会話「今度、あのユリを頂きましょう」との台詞を道路端で作業中に聞き洩らさなかった小生だった。後日、引率者に「ユリなどの希少植物は案内しないでください」と申し入れしたのだが「出発前の注意点で伝えている」で終わった。こういう輩は性善説に立ってトクトクと案内し説明するから話は通じない。
 ネットの文献など見ても「教えられない」や「催しは出来ない」などの不幸な事例が結構あるのだ。性が善の人はそれで板挟みだ。性悪の人はホクホクしている。