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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



写真:ヤンゴンのナイトバザールのアトラクション「観覧車」(但し人力) 11/25撮影

ミャンマーでの恐怖体験なんてタイトルを付けたら「ついに『とりがら時事放談』も目覚めたか」なんていうサヨった人たちから歓迎を受けそうだが、そんなこととはまったくない。
「軍事政権」だとか「人権弾圧」だとか「スーチーさん」なんてマスコミやアメリカ、イギリス主導の国際社会が宣伝する脚色内容にはまったく動じないのが当ブログの特徴だ。
で、何が恐怖体験かというと、先週末、ヤンゴンでそれはそれは恐ろし~い「観覧車」を目撃してしまったことだった。

ヤンゴンのナイトバザール。
もう何度もミャンマーに行っているのにそんなものがあるなんててんで知らなかったら、見つけたときはびっくりした。
昨日TBしてくださった地球浪漫紀行さんによると、つい最近始まったお祭りなのだという。
尤も、敬けんな仏教徒の多い保守的文化のミャンマーのこと。
タイのパッポン通りの如何わしげで怪しげなナイトバザールと異なり、いたって健康的。
たとえて言えばナイトバザールというよりも「縁日」。

輪投げありの、くじ引きありの、わたあめ屋さんありの、お好み焼き屋さんありの、本当に縁日。
もともとの電力不足でロウソクの明かりが唯一の光源というところも少なくないので薄暗いのが欠点だが、
「シャチョ~、イイオンナノコイルヨ、ミルダケタダ」
などというようなヤツがいるお隣の国のようなことは皆無だから親子連れで楽しめたりなんかする雰囲気だ。
現に、ナイトバザールは親子連れでごった返していた。
だから、まさに縁日。
私はここで日本人代表として「金魚すくい」か「ヨーヨー釣り」でもやってみたいくらいの雰囲気だ。

この「縁日」でひときわ目を引いたのが移動遊園地。
メリーゴーラウンド、
回転する宇宙船、
そして観覧車。
いずれもむか~し日本のデパートの屋上にあったような遊技施設なのだが、これが全部「人力」で動くのだから恐ろしい。

とりわけ見るだけで恐ろしく、そして面白く、人だかりができていたのが観覧車だった。

お客さんがゴンドラに乗ってグルグル回るのは他の観覧車と同じなのだが、それを回しているのは4人ほどの男のスタッフ。
お客がゴンドラに乗り終わると、4人の男達はやにわに観覧車によじ登り、自らの体重で観覧車を回し始める。
その回るスピードの速いこと、速いこと。
ゴンドラは遠心力で振り回され、乗っているお客は笑いながら悲鳴を上げている。
「うぉおおおおおおおおお~」
見ている者も絶叫だ!

この高速回転を止めるのも人力で、乗ってみたいと思ったけれど、
「邦人、またもやヤンゴンで死亡。原因は観覧車からの転落か?」
なんて新聞に載ったりしたら恥じかきそうだから止めにした。

ある意味、ミャンマーでの恐怖体験の一つなのであった。

ところで、ミャンマーで最も恐怖に感じたのは西部のミャウーという街からチン族の村をボートで訪れたときであった。

日本から三日がかりでたどり着いたこの村。
川沿いにありノ~ンビリした少数民族の村で、顔面いっぱいにに入れ墨を施した女性がいることでロンプラなどにも載っている地方なのであった。
現地ガイドの案内で岸のがけをゆっくり上がると、ニッパヤシで立てられた家々が建ち並ぶ村の入り口にさしかかった。

ふと右手を見ると、4歳ぐらいの子供が一人で粘土遊びに興じていた。
一生懸命、こね繰り回し、丸くしたり、地面に叩きつけたりして喜々として遊んでいるのだ。
「子供はかわいいな~」
などと思って近寄りよくよく見ると、その子の遊んでいるものは粘土ではなく、牛の糞なのであった。

糞=粘土。

近づいた私にその子が気付いた。
こちらを振り向き私の顔を見て「ニコッ」と微笑んだ。
そしてやにわに立ち上がり、こちらに歩み寄ってくるのであった。

私は子供が大好きで、とりわけミャンマーへ行くと外国人が珍しいのか、すぐ遊び相手になってしまう。
しかし、このとき私は言い知れぬ恐怖を感じたのであった。

「あああ、牛の糞で遊んだ手でワシの服にさわるんやない!こら、寄って来るな」
と微笑みながらも、引きつっていたのだった。

今になって考えてみれば、これがミャンマーで経験した最大の恐怖だったかも分からない。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
パキスタンにも (へっぽこ広東語使い)
2007-12-04 16:57:47
あるらしいですよ!高速観覧車。

学生時代、パキスタン留学中の人からの投稿で読みました。

HEPの観覧車もその速さでまわったら面白そうですね。
 
 
 
環境にやさしい (監督@とりがら管理人)
2007-12-04 19:38:24
なんとかに「やさしい」と言う言葉はあまり好きではありませんが、人力観覧車は本当に環境に優しい遊技施設だと思います。
しか~し!
なんとかに「やさしい」という人ほど、他人に冷たい人だというセオリーを考えてみると、人力観覧車は「人に恐ろしい~」施設である、というセオリーも成り立つようで。

ちなみに大阪港の大観覧車も人力やったら面白いですが、高さ100メートル以上にそれを動かしに登る人(とび職か)の方が話題になるかもわかりません。ハハハ。
 
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