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とりがら時事放談『コラム新喜劇』



まる2週間以上、劇場で映画を見ずにいると禁断症状が現れてくるくらい頻繁に映画を見に行くようになった。こんなことは大学受験を控えて受験勉強に勤しんでいた高校3年生の夏休みの時以来のことである。

きっと私は、日常の生活がシビアになればなるほど、その緊張を緩和するために映画鑑賞を欲するようになるに違いない。
桂枝雀の「緊張と緩和」理論は笑いだけでなく、私の映画鑑賞中毒症にも当てはまるようだ。

とうことで、2週間ぶっ続けで働いた私は、先週末やっとのことで話題作「チャーリーとチョコレート工場」を観てきたのだ。
この映画は、ジーン・ワイルダー主演で30年前に製作された「夢のチョコレート工場」のリメイクだ。

チョコレート工場と聞けば、私はいつも大学に通う途中にあった、某有名製菓会社のチョコレート工場を思い出す。
元来私はチョコレートが大好きで、物心がついたときからチョコレートさえあれば、他のお菓子はまったく必要がないというような子どもだった。
ところが、このチョコレート工場の前を毎日通っているうちに、チョコレートがあまり好きでなくなってしまう、という現象が発生した。
これは私が大学生という名前の酒のみになったからでは決してない。
今、私はそのチョコレートアレルギーも解消されて、酒を飲みながらでもチョコレートを食べることが出来るという、傍から見ると気分が悪くなるような組み合わせでも大丈夫な体質になっていることからも、それは否定したい。甘党でも辛党でもないのだ。
ではそのとき、どうしてチョコレート嫌いになったかというと、単に臭いに辟易したからだった。
つまりチョコレート工場はチョコレート臭いのである。
それも猛烈に。
工場の周囲数百メートルはチョコレートの匂いが立ちこめていたのだ。
「どうして、この人たちはこの状態に我慢できるのだろう?」
と、元気に工場で働く人を見かけるとそう思ったものである。

この「チャーリーとチョコレート工場」を観ていると、この工場の匂いがフラッシュバックして「自分が招待されたら甘ったるいカカオの匂いに包まれて、きっと気分が悪くなるだろな」という、映画とはまったく関係ない生理的感想にとらわれてしまったのだった。

ま、映画そのものはファンタジー100%のおとぎ話なので、「工場の建設費はどうしたんや」とか「営業部門はあるのか」とか「工場はモクモク煙を上げているが環境問題は大丈夫か」「ISO9001、ISO14001は取得しているのか」「チャーリーの爺さん婆さんの下の世話はどうしているのか」といった堅いことは考えないほうがいいだろう。
それに前回のワイルダー主演の作品とは違った面白さがあった。
とりわけ魅力的だったのが小人の集団「ウンパ・ルンパ」だった。
CG技術のたまものである、この濃いー同じ顔のキャラクターたちが繰り広げるミュージカルシーンは、極めて印象的で脳に焼き付いて消えそうになく、夢に出てきてうなされそうだ。
それと主演のウィリー・ワンカを演じたジョニー・デップの狂気ぶりもなかなか見事。前作のジーン・ワイルダーの演じたワンカは変人であったが、デップのそれは狂人であった。

ともかくカラフルな異次元ファンタジーが好きな人にはおすすめの映画だ。

~「チャーリーとチョコレート工場」2005年アメリカ映画 ワーナーブラザーズ~

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