とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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サマワの浄水設備に見るイラク人気質

2008年03月25日 06時10分27秒 | 海外の出来事
NHKの番組を見ていたら「イラク戦争からまる五年」なんて報道をしていて、あたかも今月は「イラク戦争記念月」みたいな趣だ。

イラク戦争。
未だにブッシュジュニア君は「イラク戦争は正義だい!」なんて宣っているが、イラク戦争は明らかな失敗であった。
未だに終結を見ないのがその証拠で、戦死した米軍将兵の総数もかのベトナム戦争に迫ったいるというわけだ。
ただベトナム戦争と違うのは、米軍も戦った相手がベトナムの場合は優秀な民族独立主義者だったことに対して、イラクの場合はイスラム教を狂信的に信仰し働くことが大嫌いな烏合の衆であったことが特徴的だ。
つまりベトナムには国家観があってそれを実現するために闘ったが、イラクには国家観などまるでなし。

そのNHKの番組によるとイラク戦争では日本も軍隊(自衛隊)を送り込み平和維持活動に努めたが、その効力は何もないということらしい。
「その後、何もしてくれないのでフォルターも詰まったままで使うしかないんすよ」
と我が自衛隊がサマワに建設した浄水設備にケチをつけている管理人の話を写していた。

映像を見ると、建屋の外壁には落書き。
フィルターはゴミで根詰まりをお越し機能せず。
痩せて不健康そうな管理人が、
「だれも面倒を見てくれない」
と嘆いていた。
で、NHKはこの映像をもって自衛隊が撤収後、日本は何もしてません的な締めくくりに持ち込んでいった。

これって、かなりヘンだとは思わないか?

日本人の感覚からすると一度作ってもらった設備は自分たちで大切に維持しようとする。
フォルターが詰まれば、「誰かがフィルターを交換してくれるのを待つ」のではなく「誰かに頼んでフィルターを交換してもらうか、自分たちでなんとかする」というのが常識だ。

自分たちでなんとかしようとするのは、なにも日本だけに限った話ではない。
東南アジアの発展途上国にはJICAや日本財団などによって井戸や発電機などが設置されているところが無数にある。
そういう設備が設置された村々ではそれらを大切に利用して生活に活かしている。
時には自分たちで竹などを使い井戸から各戸へ配管工事さえしているところさえある。

それに引き換えイラクの態度。

イラク戦争の失敗は、サダムでしか統治できなかった甘っちょろいイラク人気質を見抜けなかったところにあるのではないだろうか。