とりがら時事放談『コラム新喜劇』

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伊勢の名物「赤福」の歴史終わる

2007年10月13日 06時37分24秒 | 経済
「赤福よ、お前もか!」

とジュリアス・シーザーが言うはずはないが、「伊勢の名物赤福餅」が冷凍保管していた商品の製造日を改ざんして出荷していたことが判明。
近畿東海圏の土産物屋に百貨店は大騒ぎ。

数年前の雪印食品の食中毒事件に端を発した一連の食品会社スキャンダルはついに江戸期創業の老舗菓子店にまで広がった。

製造した食品を一旦冷凍して、出荷時に解凍加工して顧客に供する食品は少なくない。
代表的なのがクロワッサンで、このパンの真打ちは国内または海外で大量生産され一旦冷凍。
国内の製パン会社で解凍してから焼き上げている製品が少なくない。
またマクドナルドのバーガーパティも同様に世界のどこかで一括生産。
冷凍して世界各地のマクドナルドに配送されている。

そういう意味では赤福餅の冷凍も食品ビジネスのセオリーでは間違いではないのだが、悪いことにウソをついたのがいけなかった。
生産日の改ざんはどんな製造業でもあってはならない犯罪だ。

赤福にとって最悪なのは、雪印ハムや白い恋人と異なって「お伊勢さんのお土産」だということだ。

伊勢は伊勢神宮で栄えている街であることは小学生でも知っている。
そしてその伊勢神宮の存在は日本人にとって歴史的にも文化的にも政治的にも最も神聖なる存在だ。

イスラム教徒とってのメッカ。
カトリック教徒とってのバチカン。
仏教徒にとってのブッダガヤ。

その聖地「伊勢神宮」のお膝元で、赤福はお伊勢さん参拝の代表的お土産として商いをし、利益を上げ、300年間恩恵に浸ってきた。
しかし、今回「製造日の改ざん」というあってはならないことで伊勢神宮の聖域を汚したのだから、よほどのことをしない限り他のケースと違って復活は無理というものだ。

「えじゃないか、えじゃないか、え~じゃないか♪」

で出荷されては客の方はたまらない。