人生の目的は音楽だ!toraのブログ

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映画「フェア・ゲーム」を観る~ナオミ・ワッツ&ショーン・ペン主演~アメリカの光と影

2011年09月29日 06時46分30秒 | 日記

29日(木)その2.昨夕,記者クラブの試写会でダグ・リーマン監督「フェア・ゲーム」を観ました.アメリカの始めたイラク戦争を止めようとした女性CIA職員のドキュメンタリー・タッチの映画です.試写会で配布されたパンフを参考にこの映画の概要とストーリーを紹介します

2007年10月に,アメリカで一冊の本が出版され大きな話題を呼びました 「Fair Game:How a Top CIA Agent Was Betrayed by Her Own Government(格好の標的:CIAのトップエージェントは,いかにして国家に裏切られたか)」という本です.これは実在する元CIA女性エージェ ント:ヴァレリー・プレイムが,政府との戦いを綴った回顧録です.この回顧録を中心に,周りの人物への入念な取材に基づいて作られたのがこの「フェア・ ゲーム」です

9.11の同時多発テロ以降,アメリカ合衆国は世論をも巻き込み,イラク共和国が大量破壊兵器を保持し,悪の枢軸のひとつであるとしていた.だが,CIAの女性秘密諜報員ヴァレリー・プレイムは,潜入操作の末,イラクに核開発計画がないことを突き止める.その一方,ヴァレリーの夫で,元ニジュール大使のジョー・ウィルソンも,国務省の依頼で同様の調査結果を得ていた.しかし,ブッシュ政権はヴァレリー夫妻の報告を無視し,2003年3月20日,遂に,イラクへ宣戦布告する ジョーは,”真実”を世間に公表するためにニューヨークタイムズ紙に自らの調査報告を寄稿し,一躍,論争を巻き起こす.すると,政府の報復により,ワシントンの名のあるジャーナリストたちに,ヴァレリーがCIAの秘密諜報員である情報がリークされる.たちまち世間からの批判を一斉に浴び,ヴァレリーは幼い双子の子どもたちを抱えながら孤立無援に陥る しかし,夫とともに,強い意志を持って国家権力に立ち向かうことを決心する.情報漏えいを指示したのはなんとチェイニー副大統領の主席補佐官のルイス・リビーだった.CIAエージェントの身分暴露は国益を損なうとしてアメリカでは重罪である.彼は起訴され,2007年3月に有罪の判決が下される.そこに至るまで,歴史のうねりに巻き込まれながらも,最後までイラク戦争を止めようとした女性:ヴァレリー・プライムの命を懸け,己の信じる”正義”と”愛”を貫いた戦いの物語である

主演のヴァレリー・プライムをナオミ・ワッツが演じます.ダグ・リーマン監督は,ヴァレリー役にはナオミ・ワッツが適任と考えていたといいます.「脚本をナオミに送って,最初の10ページを読んで感想を教えてほしいといったんだ.彼女はすぐに連絡をくれた.気に入ったと」.そして夫ジョー役にショーン・ペンを勧めたのはナオミ・ワッツだったとのこと.ナオミ・ワッツは,実際のCIA職員が受ける諜報活動と特殊部隊の訓練に参加して,徹底した役作りに挑んだといいます.迫真の演技でした

この映画を観て考えることは,アメリカ合衆国という国の”大罪”と”自由あるいは寛容”ということです.確たる証拠もないのに大国の正義を振りかざして”事実”をでっち上げて突っ走る”大罪”と,それを暴く人たちの行動を映画化することを許す”自由度”というものを感じます.いわばアメリカの光と影です

この映画は10月29日(土)からTOHOシネマズ六本木ヒルズでロードショー公開されます

 

           

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