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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

クァルテット・フモレスケのメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番」を聴く~JTアートホール

2013年11月22日 07時05分39秒 | 日記

22日(金)。昨夕、虎ノ門のJTアートホール”アフィニス”でクァルテット・フモレスケのコンサートを聴きました JTビル正面玄関を入るとクリスマス・イルミネーションが輝いていました

 

          

 

クァルテット・フモレスケは東京藝大で学んだ4人の仲間が今年結成した弦楽四重奏団です。メンバーはヴァイオリン=對馬哲男、山本美樹子、ヴィオラ=脇屋冴子、チェロ=佐古健一です 「フモレスケ」という名称はドイツ語のHumor(フモール)に由来しているとのことで、シューマンが「豊かな心情と幸福な融合」と形容した言葉のことだそうです

プログラムは①ハイドン「弦楽四重奏曲第36番”プロシャ弦楽四重奏曲第1番”」、②メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」、③ベートーヴェン「弦楽五重奏曲ハ長調」です

自席は11列4番、左ブロックの右通路側席です。会場は8割方埋まっている感じです 1曲目のハイドンの弦楽四重奏曲第36番は1787年に書かれました。メンバーは左から對馬、山本、佐古、脇屋という態勢を採ります 第1楽章はチェロが通奏低音のようにテーマを奏で、ヴァイオリンとヴィオラがかぶります。第2楽章は途中、ヴァイオリン・ソロがありますが、對馬のヴァイオリンは切々と哀しみを歌い上げます 第3楽章のメヌエットを経て軽妙な第4楽章に移ります。最終場面では、終わるかと思わせて、また演奏を再開し、フィナーレになだれ込みます。ハイドンならではのウィットです

さて、今回の目的は2曲目のメンデルスゾーンの「弦楽四重奏曲第2番」を聴くことです。この曲はポピュラーとは言えないので、ゲヴァントハウス・クァルテットのCDで予習しておきました

 

          

 

第1楽章はメンデルスゾーン特有の劇的な曲想で、時にベートーヴェンの”運命の動機”が顔を見せます。彼のピアノ協奏曲や他の曲にも同じような傾向が見られます。メンデルスゾーンは巷間言われているようなモーツアルトからよりも、むしろベートーヴェンから、もろに影響を受けているのではないかと思います

第2楽章では、ベートーヴェンよりもバッハの「音楽の捧げもの」のような感じのメロディーが顔を覗かせ、びっくりします 第3楽章から第4楽章へは間を空けずに演奏します。第4楽章終盤の對馬のヴァイオリン・ソロは哀しみを湛えた感動的な演奏でした

休憩時間にロビーに出ようと席を立つと、最後部席にヴァイオリンの第一人者・岡山潔さんが座っていました。この日の出演者のうち女性二人は岡山さんの指導を受けています

最後のベートーヴェン「弦楽五重奏曲ハ長調」は珍しい曲です。あらかじめ予習しておこうと思ってCD棚を片っ端から探してみたのですが、どこにも見当たりません 弦楽四重奏曲全集はバリリ、アルバン・ベルク、ウィーン・コンツェルトハウス、ヴェーグの各弦楽四重奏団の演奏で持っているのに、弦楽五重奏曲は1枚も持っていないことが判明しました。情けないこと限りないです

このコンサートのプロデュースした元N響首席で、現在藝大教授の川崎和憲が加わります 左から山本、對馬、佐古、川崎、脇屋という態勢を採ります

生まれて初めて聴く曲でしたが、ベートーヴェンらしい、なかなか味のある曲だと思いました 弦楽五重奏曲と言えばモーツアルトのそれが傑作として有名ですが、ベートーヴェンはそれを意識して1曲しか作れなかったのかも知れません

若い演奏家たちにこのような発表の機会を与える「JTが育てるアンサンブルシリーズ」は素晴らしい企画だと思います 主催者のJTグループにはこれからも是非続けてほしいと思います

 

          

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その通り! (メンデルソン)
2013-11-22 18:39:43
なかなか、事前にチケットを買って行けない私にとって、有益な情報、ありがとうございます。
メンデルスゾーンは、ベートーベンの音楽を高く評価していたのは、本当にその通りだとおもいます。
ゲーテのもとを訪れた際、彼が、ベートーベンの音楽を聴かないことを知り、熱心にピアノを演奏して聴かせた。というエピソードがある位ですから。toraさん、流石です!
メンデルスゾーンは、いまだ、不当に低く評価されていますが、あと何十年かしたら、その天才ぶりに誰もが気ずく時がやってくると思います。(予言)
話は変わりますが、モルモットさんお元気ですか?あまりの可愛さに一目惚れー!
また写真upしてください!
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メンデルスゾーンに光を! (tora)
2013-11-22 20:27:20
メンデルソンさん、お久しぶりです!メンデルスゾーンって、バッハを復活させたり、モーツアルトやベートーヴェンを研究したりと、温故知新の体現者のような人ですよね
私は、いつか必ず彼の真の才能が世間に認められる時が来ると信じています
ところで娘が可愛がっていたモルモット”スリナモモ”のことですが、残念ながらブログをアップして間もなく他界しました。その後、動物は飼っていません
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Unknown (メンデルソン)
2013-11-22 22:00:02
そうでしたか。悲しい事、思い出させてごめんなさい。
合掌。
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前向きに (tora)
2013-11-23 09:00:34
メンデルソンさん、モルモットの名前を”スリナモモ”と書きましたが、あの写真は”シェルギェル”でした。スリの方は比較的長く生きたのですが、シェルの方は短命でした。
それ以前にはハムスターを何度か飼っていましたが、どの子も短命でした。2年以上も前のことなのですっかり忘れてしまいました。
メンデルソンさんは小動物を飼ったいらっしゃらないのでしょうか
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おはようございます (メンデルソン)
2013-11-23 09:54:53
今、うさぎとセキセイインコを飼っています。とっても可愛いです。ハムスターも飼った事あります。
毎日一緒に、クラシック音楽聴いています。動物たちも眠りに落ちることが多いですね。
心地よい音楽は、生き物にとって共通のようです。
至福の時です。
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うさぎとセキセイインコ (tora)
2013-11-23 10:21:07
メンデルソンさん、やっぱりそうでしたか・・・・何となく何かを飼っていらっしゃると思いました。
ウサギやセキセイインコと一緒にクラシック音楽を聴くなんて、すごくいいですね でも、たまには運動も必要かも。
ウサギは走らせると意外と速いかも知れません。”脱兎のごとく”と言いますし・・・・
セキセイインコは、窓を閉めてカゴから解放すると軽々と部屋中を飛び回るかも・・・・石製インコじゃないので
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