人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

聴衆総立ち!~ウィーン・フォルクスオパーでレハール「メリーウィドウ」を観る

2012年05月28日 07時00分11秒 | 日記

28日(月)。昨日、東京文化会館でウィーン・フォルクスオパーによるレハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」を観ました キャストはミルコ・ツェータにアンドレアス・ダウム,ヴァランシェンヌにマルティナ・ドラーク,ハンナ・グラヴァリにアレクサンドラ・ラインプレヒト,ダニロ・ダニロヴィッチにモルテン・フランク・ラ―セン,カミーユ・ド・ロションにヴィンセント・シルマッハ―,カスカーダ子爵にミヒャエル・ハヴリチェク,ラウル・ド・サン・ブリオシュにロマン・マルティン,ボグダノヴィッチにヨアヒム・モーザー,シルヴィアーヌにリディア・ぺスキ,クロモウにライムント・マリア・ナティエスタ,オルガにベアーテ・リッター,プリチッチにハインツ・ズ―ラ―ダ,プラスコヴィアにスーリエ・ジラルディ,ニェーグシュにロベルト・マイヤーという面々で,エンリコ・ドヴィコ指揮ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団,ウィーン・フォルクスオパー合唱団,ウィーン国立バレエ団です.このうち何人かは13日の「こうもり」で聴いています

 

          

 

会場はほぼ満員,自席は1階27列21番で,後方ながら通路側です.ストーリーは次のとおりです

騎兵少尉のダニロ伯爵は,貧しい所領管理人の娘ハンナと相思相愛の仲でしたが,伯父から相続権を剥奪すると脅迫され,ダニロは身分違いの恋を諦めます ハンナはボンデヴェドロ国の銀行家である富豪のグラヴァリと結婚しますが,結婚の数日後に夫が急逝して未亡人となります その後,予備士官となったダニロは,ボンデヴェドロ公使館の書記官としてパリに赴任します.新たな任務に満足できないダニロは,夜ごと高級クラブ「マキシム」に出かけて酒と女たちで気を紛らわせています そんなダニロとハンナは反発しあいながら,お互いに惹かれあい,最後はハッピーエンドを迎えます

 

          

 

ハンナ役のラインプレヒトは伸びのあるソプラノで,第2幕の「ヴィリアの歌」を心情豊かに歌い上げていました 演技ができるソプラノです.ヴァランシェンヌ役のドラークは「こうもり」でイーダを歌ったソプラノですが,このオペレッタの行方を担う重要な役割を美しく演じました 第3幕パリの「マキシム」でウィーン国立バレエ団とともに踊るシーンがあるのですが,「こうもり」の時も見せてくれたバレエの実力を如何なく発揮し,見事に踊っていました この人はクラシック・バレエの心得があります.あとは,出番は少なかったものの,オルガ役を演じたベアーテ・リッターは「こうもり」でアデーレを演じていたソプラノですが,魅力的な歌を聴かせてくれました

男性陣ではダニロ役を歌ったラ―センが歌も演技も体当たりで取り組んでいて好感が持てました 第3幕でのハンナとのデュエット「メリー・ウィドウのワルツ」はなかなか聴かせてくれました.また,カミーユ・ド・ロション役のシルマッハ―は「こうもり」でアルフレート役を演じたテノールですが,無理のない発声による気持ちの良い声で聴衆を魅了しました この人は名前によらず東洋人的な顔つきをしています.

そして「こうもり」ではセリフのみの出場(フロッシュ)だったウィーン・フォルクスオパー監督のロベルト・マイヤーが,このオペレッタでは歌も歌うニェーグシュを演じていました 歌もなかなかのものですが,この人は身のこなしが柔軟で,自転車で登場したりして会場を和ませていました

第3幕フィナーレなどは会場の聴衆も手拍子でこの舞台に参加し,いっしょに楽しんでいました 何回かカーテンコールがあって,歌手陣,コーラス,バレエ団が登場し声援に応えていましたが,指揮者のドヴィコも舞台上にいるのに,急にまたフィナーレの音楽が鳴り始めました みな「おやっ?」と思って指揮台を見ると,何とニェーグシュを歌ったマイヤー監督が,いつの間にか舞台から下りてタクトを持って指揮をしているのです あまりの堂々たる指揮ぶりに会場はヤンヤの喝さいでした オーケストラの団員もプロ並みの指揮ぶりに驚いている様子でした

大きな拍手とブラボーの中,何回か幕が開き幕が下りて,あぁこれで最後かと思っていると,また幕が開き,上から「 SAYONARA  See you again 」と書かれたネオンサインが下りてきてピカピカ光っていました 舞台上の出演者が手を振ってあいさつをすれば,会場の聴衆も総立ちになって,あるものは拍手を,ある者は手を振って別れを惜しんでいました こんな感動的なフィナーレは本当に久しぶりです しばらく「メリー・ウィドウのワルツ」のメロディーが頭を離れそうもありません

この公演は,私の今年聴いた,あるいはこれから聴くクラシック・コンサートの中でベスト3に入るのではないかという予感がします

 

          

 

〔追伸〕

さて,昨日のグログに書いた「まさか」がありました.東京文化会館の1階27列21番の私の席のすぐ前の席に「ブラボー」の代わりに「ボー」と叫ぶ某氏(ボー氏)がいたのです 前日と同じチェックのシャツを着ていたのですぐに分かりました.歌手の歌声に「ボー」を連発していました ボーさん,シャツは洗濯しましょうね.私はこれから座席を選択することにします

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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感動が伝わってきました (なかた)
2012-05-29 10:46:47
メリーウィドーまさにウィーンフォルクスオーパーならではの舞台だったことと思います。
このようなA級鑑賞の機会に恵まれて、おめでとうございます。はや今年も6月。残り半年もますますよい音楽会に行かれますように。あやかりたいです。
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滅多にない機会でした (tora)
2012-05-29 20:02:58
なかたさん,舞台と観客が一体となって楽しめる公演は滅多にありません.今回は本当にラッキーでした とりあえず6月のメインは来週のフランクフルト放送交響楽団の演奏会です
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