人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

われわれは誰に政治を委ねるべきか~渡邊恒雄著「反ポピュリズム論」を読む

2012年08月28日 06時59分08秒 | 日記

28日(火).昨夕,子供たちと10階のレストラン・アラスカで会食しました 毎年夏休みの恒例行事になっています.夕方5時半に10階で待ち合わせてレストランに入りました.S店長が日比谷公園が見える窓際の席を用意してくれていました 

私は最初生ビールを,次いで赤ワインを,娘はグレープフルーツジュースを,息子はオレンジジュースを飲みました.2人とも未成年は卒業しているのに,スポンサーへの遠慮でしょうか?料理は「シェフのお薦めディナーコース」です 

実は,先週月曜日に飯野ビル地下のベトナム料理”イエローバンブー”で会食したとき,店長の南さんに「娘は今失業中なんです」と言うと,「明日から来てください」と言われ,即アルバイトが決まったのです.当初は昼間だけと思っていた勤務が,昼も夜も働くことなり,午前11時から午後11時まで12時間拘束されることになったのです 午後3時から5時までが休憩時間ですが,この時間が無駄になる,と娘はこぼしていました.”24時間が自分の時間”の身から,いきなり拘束12時間の身になったので,あまりの環境の急激な変化に体力的な面を含めて戸惑いがあるようです まだ1週間も経っていないので,当面様子見といったところでしょうか.私からは,せっかく大学でデザインを勉強したのだから,ダメ元で,お店の簡単なカードやチラシ類をデザインして店長に提案してみたらどうか,とアドヴァイスをしたりしました.普段は面と向かって話をする機会があまりないのですが,こういう会食は良い機会になります さて,「シェフのお薦めディナーコース」の料理は・・・・

 

          〔前菜〕 トマトとアボガドのコラボレーション

          

 

          〔冷たいフープ〕 夏はこれ! アラスカ名物”ヴィシソワーズ”

          

 

          〔メイン・ディッシュ①魚料理〕 絶妙な味付け!

          

 

          〔メインディッシュ②肉料理〕 柔らかい牛肉が最高!

          

 

          〔デザート〕 巨峰,マンゴー,クレープ・・・

          

 

          〔コーヒー〕

          

 

このレストランはパンもすごく美味しいので,おかわりをお願いしました.子供たちに「毎年おかわりしているよね」と言われてしまいました.どれもアラスカらしく美味しい料理でした.ごちそうさまでした

 

  閑話休題  

 

読売新聞グループ本社会長・主筆の渡邊恒雄氏の「反ポピュリズム論」(新潮新書)を読み終わりました.この本は、渡邊氏がポピュリズム(大衆迎合)による政治の堕落に警鐘を鳴らしたいとの思いで書きおろしたものです 発売から10日間で3刷計4万部を発行、売れ行きも好調とのことです

同書は、第1章「政治家の衰弱は誰のせいか」から始まる6章から構成されています。ローマ帝国が末期の大衆迎合政策で崩壊したことや、小泉純一郎元首相の劇場型政治、橋下徹大阪市長をめぐる「橋下現象」などを独自の視点から分析しています 60年に及ぶ政治記者生活で取材してきたエピソードを随所に散りばめながら、現在の政治を分かりやすく解説しています

渡邊恒雄氏の主張を要約すれば,ギリシャのような経済破綻を回避するために必要なことは①消費税率の引き上げ,②無税国債の導入,③社会保障への投資拡大,④原発の再稼働の4点です.③を除けば人それぞれ意見があるでしょう

この本を読んで一番感じたことは,彼が何度か政治家に仕掛けた”大連立構想”の危うさです まず,1983年の時,彼は民社党の佐々木委員長を訪ね「中曽根自民党と連立政権を作らないか」と持ちかけています.この時は一歩違いで,自民党が新自由クラブと連立することになり失敗に終わります

2度目の連立構想の仕掛けは1998年,小渕恵三内閣(野中広務官房長官)に対し小沢一郎党首率いる自由党との連立の橋渡しです これは成功したとのことです.

3度目の仕掛けは2007年,福田康夫自民党首相と小沢一郎民主党代表との連立の橋渡しです これは渡邊氏の説明に寄れば,福田氏の「慎重さ」と小沢氏の「過信」が原因で失敗に終わったとのことです

与党が頼りにならない時に,野党第1党を巻き込んで大連立を組み,数々の難局に対処していくという考え方は大いに理解できます より優秀な人材を活用できる可能性があるからです

しかし,私がここで言いたいのは,そのような政党間の橋渡しのような重要かつ微妙な役割を,一新聞社の政治部記者がやってもいいのかということです.新聞はあらゆる権力から独立していなければならない,というのが新聞業界,ひいては広くマスコミ業界に身を置く人間の常識です.そうでなければ対象を批判できないからです

さらに言えば,彼のような”大御所”に頼らなければ他の政党と膝を突き合わせた話が出来ない,という現在の政治の危うさです 民主党も,自民党も頼りにならない現在,大阪市長で「大阪維新の会」代表の橋下徹氏の動向が注目されています 新聞社の世論調査でも,かなり高い割合で「維新の会」の活躍が期待されています.しかし,私は彼らの動向に,かつての「小泉劇場」のような危うさを感じています.この動きに便乗して政界に進出しようとする実力も何もない輩が何人も出てくるのではないかと懸念します 自民党でもなく,民主党でもなく,「維新の会」でもなく,それでは,ほかにどんな選択肢があるのか,と問われても,今ここに答えを持っているわけではありません.じっくり考える時間が必要です.その意味で,彼の書は非常に参考になることは確かです

 

          

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