18日(火)。東京シティ・フィルから2025年度の年間チケット(「定期演奏会」と「ティアラこうとう定期」)が、公開リハーサルの案内、会員特典グッズ(ポーチ)とともに届きました これで会員になっているオケの年間会員券が出揃いました
あとは秋から新シーズンを迎える新国立オペラとN響の正式案内が届くのを待つだけとなりました
ということで、わが家に来てから今日で3689日目を迎え、調査機関ピュー・リサーチ・センターが14日に公表した世論調査によると、米国民の65%がトランプ大統領に より大きな権限を与えるのは「非常に危険」だと捉えていることが分かった というニュースを見て感想を述べるモコタロです
連発した大統領令のいくつかは 違法として裁判所の差し止め命令を受けてるからね
昨日は諸般の事情により夕食作りはお休みしました
昨夜、すみだトリフォニーホール(小)で「新日本フィル室内楽シリーズ 真冬に聴くアツイ室内楽! ~ 桂田光理プロデュース編」を聴きました プログラムは①マイケル・コルグラス「4つのドラムとヴィオラのための変奏曲」、②ジャン・クラ「ハープ、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための五重奏曲」、③ブラームス「クラリネット三重奏曲 イ短調 作品114」(ヴィオラ版)です
演奏はヴァイオリン=玉井元(つかさ)、ヴィオラ=桂田光理(ひかり)、チェロ=飯島哲蔵、フルート=野口みお、パーカッション=山内創一朗、ピアノ=高橋ドレミ、ハープ=小嶋玲奈です
桂田光理は兵庫県出身。東京藝大・大学院修士課程修了。第16回日本演奏家コンクール弦楽部門第1位。第24回日本クラシック音楽コンクールヴィオラ部門第3位(最高位)受賞
開演前に本公演の仕掛け人・桂田によるプレトークがありました 入団2年目であること、このシリーズのプロデューサーとして出演することが夢だったことを語り、この日のプログラムの意図を簡単に説明しました
カンペを見ながらのトークでしたが、要領よくまとまっていて聞きやすかったです
ただ、5分は短すぎるので、次回の時は10分程度にして作品との関り等を掘り下げるといいと思いました
1曲目はマイケル・コルグラス「4つのドラムとヴィオラのための変奏曲」です この曲はフランスの作曲家ミヨーに師事したコルグラス(1932-2019)が1957年に作曲した作品です
彼は打楽器奏者として関わったストラヴィンスキーやケージに強い影響を受けたとのことです
曲は「序奏」と「第1変奏」~「第5変奏」、そして「終曲」から成ります
幕間の山内氏の解説によると、使用するドラムは「ロート・トム」という名前の打楽器で、1950年代から使われているそうです 透明な小さな鍋の蓋をひっくり返したような形で、音程が変えられるのが特徴とのことです
演奏に入りますが、時にバッハのような、また別の変奏ではバルトークのような響きが聴こえてきます 基本的にはヴィオラとロート・トムとの対話の形で演奏が繰り広げられますが、メロディーを弾く弦楽器とリズムを刻む打楽器とのコラボが新鮮でした
桂田は よくこういう組み合わせの作品を”発見”したものだと感心します
2人とも素晴らしい演奏でした
2曲目はジャン・クラ「ハープ、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための五重奏曲」です この曲はフランスの官軍士官でもあった作曲家ジャン・クラ(1879-1932)が、パリ五重奏団の委嘱により1926年に作曲した作品で、4つの楽章から成ります
5人が登場し第1楽章に入りますが、ドビュッシー風の音楽が展開します 特に印象に残ったのは第3楽章です
弦楽器群とフルートとハープによる流麗なアンサンブルがとても美しく響きました
全体的にメロディーが美しく、分かりやすい作品でした
「ハープが巧いな
」と思って小嶋玲奈のプロフィールを見たら、東京藝大で高野麗音に師事しています
どうりで巧いわけです
プログラム後半はブラームス「クラリネット三重奏曲 イ短調 作品114」(ヴィオラ版)です この曲はヨハネス・ブラームス(1833-1897)がクラリネット奏者ミュールフェルトに触発されて1891年に作曲、同年ベルリンで初演されました
第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アンダンティーノ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
ヴィオラ版はブラームス自身によりオリジナルとほぼ同じ時期に編まれています
桂田は、前半は赤系統の衣装でしたが、後半のブラームスでは黒のシックな衣装にお色直しをしての登場です ブラームスに赤は似合わない。黒で正解だと思います
3人の演奏で第1楽章に入ります 冒頭、飯島のチェロが哀愁に満ちたメロディーを奏で、桂田のヴィオラが哀しみを歌い上げ、高橋のピアノがしっかり支えます
ブラームス特有の寂寥感に満ちた演奏が繰り広げられます
第2楽章では冒頭から桂田のヴィオラがよく歌い、飯島のチェロと高橋のピアノがそっと寄り添います
第3楽章に入ると、”ほの暗い情熱”の発露とでも言うべき音楽が疾走します
こういうところがブラームス好きには堪りません
3人は情熱的な演奏を繰り広げ、聴衆を魅了しました
ブラームスの魅力が前面に出た素晴らしい演奏でした
会場いっぱいの拍手にカーテンコールが繰り返されました
桂田はアンコールにヴァイオリンの玉井を呼んで、ピアノの髙橋と3人でショスタコーヴィチ「5つの小品」から「ワルツ」を鮮やかに演奏、再び大きな拍手に包まれました
最後は出演者全員が登場してカーテンコールに応えました
新日本フィルに入団2年目の桂田が室内楽シリーズのプロデューサーに立候補し、自ら選曲・人選を行い、リハーサルを経て本番で演奏するのですから、凄いものだと感心します この日、ヴァイオリンを弾いた玉井は4月の室内楽シリーズのプロデューサーを務めますが、彼も昨年6月に正団員になったばかりの若手です
今の若い奏者は積極性があって素晴らしいと思います
新日本フィルは少しずつ変わっていくのかな、と期待が高まります
今日はトリフォニーホールで東京都交響楽団のコンサートを聴きます
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