15日(水)。風邪を引いたらしく喉が痛いので内科で診てもらいました。喉が赤くなっているがインフルエンザではないと言われ、一安心しました 薬をもらってきたのでしばらくは お酒の代わりに飲み続けることになります 昨年も1月に風邪を引いて2回分のコンサート・チケットを無駄にしています そういう悲しい過去があったので、今回は早めに病院に行きました
ということで、わが家に来てから今日で1934日目を迎え、トランプ米大統領は13日、イランのソレイマニ司令官殺害の根拠をめぐり、司令官主導の米大使館攻撃計画などの「差し迫った脅威」があったかは「どうでもよい」とツイッターに書いた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプの信条は「攻撃は最大の防御」らしいけど あまりにも場当たり主義的だ
昨日の夕食は、千葉県勝浦市在住の大学時代の友人S君が送ってくれた体長30センチ超のサバを塩焼きにして、「マグロの山掛け」「里芋の味噌汁」「生野菜サラダ」を作りました サバは脂がのってとても美味しかったです
新日本フィル2020/2021シーズン定期会員を継続することとし、申込用紙を送付しました アフタヌーン・コンサートシリーズ(金曜)のS席です。ベートーヴェン・イヤー(生誕250周年)ということで、このシリーズでは交響曲第3番から第8番までとトリプル・コンチェルトが取り上げられます 他のシリーズ(トリフォニー、サントリー、みなとみらい)では1曲もベートーヴェンの作品が取り上げられません 交響曲第1番と第9番は20年の年末特別演奏会で、第2番は21年3月の「すみだ平和祈念音楽祭」で取り上げられる予定です アフタヌーン・シリーズの目玉は上岡敏之指揮によるバッハ「ミサ曲ロ短調」(21年5月)です また、ブザンソン国際指揮者コンクール優勝の沖澤のどか指揮によるラヴェル「ボレロ」他(20年9月)は注目公演です
ブレイディみかこ著「THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本」を読み終わりました ブレイディみかこは1965年福岡生まれ。1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務した後、英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を開始。2017年「子どもたちの階級闘争」で新潮ドキュメント賞を、2019年「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」でYahoo!ニュース/本屋大賞2019ノンフィクション本大賞を受賞しています
本書は著者が20年ぶりに英国から日本へ一時帰国し、2016年1月末から4週間の間、日本における貧困者支援、母子支援、子ども支援、非正規労働者支援などの分野で働く人々を取材し、自らもボランティア活動に従事しながら、日本の弱者が置かれている現状を、英国における実態と比較しながらリポートしたドキュメントです
この本は次の5章から構成されています
第1章「列島の労働者たちよ、目覚めよ」
第2章「経済にデモクラシーを」
第3章「保育園から反緊縮運動をはじめよう」
第4章「大空に浮かぶクラウド、地にしなるグラスルーツ」
第5章「貧困の時代とバケツの蓋」
第3章においては「保育士配置基準がヤバすぎる衝撃」という見出しのもと、英国と日本の保育士の配置基準(国の基準)が比較されています それによると、
0歳児:日本では3人に保育士1人。英国では3人に1人。
1歳児:日本では6人に保育士1人。英国では3人に1人。
2歳児:日本では6人に保育士1人。英国では4人に1人。
3歳児:日本では20人に保育士1人。英国では8人に1人。
4歳児:日本では30人に保育士1人。英国では8人に1人。
となっています 著者は3歳児の保育士の人数に衝撃を受け、自分が英国の保育園で20人の園児の面倒をみることを想像し、「どうやって日本の保育士はそんな現場をこなしているのだろう」と驚きとともに疑問を呈しています しかし、実際に世田谷区の ある公立保育園で3歳児の保育の様子を見ていたら納得できたと書いています。「英国の保育園と違って、ここには遊具がない。三輪車もスクーターもスケートボードもないし、ジャングルジムも、滑り台もない だから玩具の取り合いをする子供もいないし、乗り物や遊具から落ちるという事故も起きないのだ」と書いています。すべての保育園がそういうわけではないと思いますが、英国と比べればそれに近いのが実態なのでしょう
また、その保育園で「汚れたオムツを保護者が家に持ち帰るようになっている」と聞いて、著者は英国だったら親が激怒するだろうと書いています これについては、処理費用が掛かるという理由を聞いて納得する一方で、オムツ処理費用はそれほど高額なのだろうか、と疑問を呈しています これについても保育園によって扱いは異なるかも知れません
一方、「英国と比較すると、日本の保育施設利用料は驚くほど安い」と書いています 著者が2015年まで働いていた英国の私立保育園では、8時から17時半まで預けた場合、1日に50ポンド(1ポンド=160円で8000円)の費用が掛かる。1か月預けると900ポンド(約14万4000円)以上になる 3歳児になれば、政府が週15時間は補助してくれるが、それでもフルタイムで子どもを保育園に預けられる家庭はそれなりの収入のある家庭だ、と書いています これに対し、日本では政府の補助金が潤沢に入っているといいます。保育園側の説明によると、ほとんどが国の予算で運営されているので、イギリスに比べると親の負担はずっと低く、都内の認可保育園で0歳から2歳だと、一番高くても親の負担は6万円台だといいます
その反面、英国では親が保育園を選べるが、日本では独特の「選考制度」があり自由に選べないという実態に驚いています 日本の場合、公立・私立を問わず保育園ではなく自治体に申し込むことになっており、親が子供の保育を必要とする理由を証明する書類、収入額を証明する書類、申し込みチェックシートなど、英国では考えられない面倒な手続きが必要とされ、その上 選考には「点数制」が採用され、フルタイムで働いている家庭は点数が高いという風になっており、高得点の家庭から順番に保育園に振り分けられるというものです
さらに、「日本の場合は親の収入によって保育料も変わるが、誰がいくら払っているかは分からないシステムになっているので、その意味では平等だと言える」のに対し、「英国では高額でインテリアにも凝った保育園にはミドルクラス家庭の子どもが集まり、貧困世帯の保育園には近隣の低所得層の家庭の子どもが集まっている。そこには日本の保育園のような階級のダイヴァーシティ(多様性)はない」と両国の根本的な違いを指摘しています
著者は同じ章の中で、「保育の仕事は政治のあり方次第でクールにも、アンクールにもなる 幼児を大人の経済活動の邪魔になる厄介者と看做す政治は、保育士をクールな職業にはできない」とし、「未来の世代のために借金を残すべきではないと言っても、その未来の世代が存在しなくなったら国は滅亡する。日本の反緊縮運動は保育園から始めよう」と語っています
すべてをご紹介できないので、著者の専門分野である保育に絞ってご紹介しましたが、著者は「自分の目で見たもの以外は信じない」という信念のもと、底辺の労働の現場に赴いて、英国との比較のもとに鋭い分析を加えています 時には本書のような”堅い”本を読むのも良いかもしれません。お薦めします