26日(日)。わが家に来てから今日で1944日目を迎え、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんは24日までに、自身が呼びかける脱化石燃料の取り組みに関してムニューシン米財務長官が「大学で経済を勉強してから説明にきてもらいたい」と突き放したのに対し、ツイッターで「学位は必要ない」と反論した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
大学の経済学は世の中の役に立っているのか? 歴史に学ぶ智恵こそ必要じゃね?
昨日、午後3時から文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ ニューイヤー・コンサート2020」を、午後6時からサントリーホールで東京交響楽団の第677回定期演奏会を聴きました ここでは「響きの森クラシック・シリーズ ニューイヤー・コンサート2020」について書きます
プログラムは①プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」より「冷たい手を」「私の名はミミ」「愛らしい乙女よ」、②ビゼー:歌劇「カルメン」より「ハバネラ~恋は野の鳥」、③オッフェンバック:歌劇「ホフマン物語」より「舟歌」、④プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」、⑤モーツアルト:歌劇「フィガロの結婚」より「恋とはどんなものかしら」、⑥プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」、⑦チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」、⑧同:大序曲「1812年」です
出演はソプラノ=木下美穂子、メゾソプラノ=清水華澄、テノール=小原啓楼、管弦楽=東京フィル、指揮=東京フィル首席指揮者 アンドレア・バッティスト―二です
木下美穂子は武蔵野音大卒、同大学院修了。第70回日本音楽コンクール第1位など数々の賞に輝いています 20年新国立劇場「ホフマン物語」でアント二アで出演予定とのこと
清水華澄は国立音楽大学卒、同大学院修了。新国立劇場オペラ研修所修了後、イタリアへ留学。東京二期会のオペラ公演を中心に活躍しています 個人的には若手メゾでは第一人者だと思います
小原啓楼は東京藝大卒、同大学院博士号取得。二期会や新国立劇場を中心に数多くのオペラ公演で活躍しています
オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの編成。コンマスは近藤薫です
最初にソプラノの木下美穂子とテノールの小原啓楼が登場し、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」よりロドルフォの「冷たい手を」、ミミの「私の名はミミ」、二人の「愛らしい乙女よ」を続けて歌います これらの歌は前日、新国立オペラで聴いてきたばかりです 二人は情感たっぷりに出会いの戸惑いと喜びを歌い上げました
次にメゾ・ソプラノの清水華澄が登場し、ビゼーの歌劇「カルメン」よりカルメンの「ハバネラ~恋は野の鳥」を、時にコンマスの肩をつついたり、指揮者の背中を指でなぞったりと ”演奏者イジリ”をやりながら挑発的に歌いました この人、キャラが際立ってます
続いて、木下美穂子と清水華澄が登場し、オッフェンバックの歌劇「ホフマン物語」よりジュリエッタとニクラウスによる「舟歌」を美しいデュオで歌い上げました この歌は大好きなので十分堪能しました
次いで木下美穂子がプッチーニの歌劇「蝶々夫人」より蝶々夫人のアリア「ある晴れた日に」をドラマティックに歌い上げました
次に清水華澄がモーツアルトの歌劇「フィガロの結婚」よりケルビーノのアリア「恋とはどんなものかしら」を歌いました 少年の歌というより彼女の場合は大人の歌になります
前半最後はテノールの小原啓楼がプッチーニの歌劇「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」をドラマティックに歌い上げました
前半のプログラムが終了したところで、アンコールがありました 「ニューイヤー・コンサート」の定番、ヴェルディ「椿姫」から「乾杯の歌」を3人の歌手が交替で歌いました
歌の合い間の朝岡聡によるインタビューによると、この日のプログラ構成と出場歌手はバッティストー二が決めたそうです 3人の歌唱を聴けば人選は納得できます。3人とも素晴らしいパフォーマンスでした
また、東京フィルは冬の期間を除いて新国立オペラのオーケストラ・ピットに入って演奏しているので、オペラの伴奏はお手のものです
プログラム後半の1曲目はチャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が1869年に作曲した初期の作品です 言うまでもなくシェイクスピアの戯曲を基にして作られた作品です
バッティストーニの指揮で曲が開始されますが、幻想的であり、また劇的でもあるこの曲をメリハリを付けたキビキビした音楽作りで進め、ドラマティックに曲を閉じました
最後の曲はチャイコフスキーの大序曲「1812年」です この曲は1880年、モスクワで翌年開かれる予定の産業・芸術博覧会のために、指揮者でピアニストのニコライ・ルビンシテインの依頼で作曲されたイベント音楽です 1812年に大軍を率いてモスクワに攻め入ったナポレオンは、寒さと飢えとロシア軍の反撃により退却を余儀なくされましたが、この曲は この史実を音楽として描いた作品です
ステージ左のせり出しにはバンダ(トランペット4本、トロンボーン4本)のための譜面台が置かれています
バッティストーニの指揮で曲が開始されますが、冒頭のチェロを中心とするロシア聖歌の音楽が実に良い音で響いてきます 戦闘の場面では金管・木管が咆哮し、打楽器が強打され、弦楽器が渾身の演奏を展開しますが、特にホルンが素晴らしい 終盤ではバンダも加わり、鐘や大太鼓が轟く中、オケの総奏により壮麗なクライマックスが築き上げられます 私は、この曲の大太鼓が大砲代わりに派手に鳴らされる箇所を聴きながら、その昔 この曲をLPレコードで聴いている時、本物の大砲が鳴る箇所になるとレコード針が跳んだことを思い出しました とんだ出来事でした
こういう壮大な曲はバッティスト―二は得意中の得意でしょう 時に指揮台の上で跳び上がりながら指揮をとっていました 東京フィルのメンバーは、オケをさかんに煽り立てるバッティスト―二に良くついていっていました
この日の公演は、司会の朝岡聡の言葉を借りれば「前半がオペラのアリア集、後半がチャイコフスキーの管弦楽曲2曲ということで、通常の2倍楽しめるコンサート」だったと言えます
ところで、この「響きの森」は文京シビックホールの主催公演ですが、「ホールが20周年を迎えた記念に」ということで、文京区の地図を模った「文京サブレ」を帰りがけにお土産としていただきました 私も25年ほど前は文京区に住民税を払っていましたが、現在は豊島区です 「豊島サブレ」はないのか