人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新日本フィル 上岡音楽監督のインタビューから / 「ザ・シークレットマン」を観る~ニクソン米大統領が辞任に追い込まれた「ウォーターゲート事件」の全貌と内部告発者を描く:ギンレイホール

2018年08月29日 07時19分50秒 | 日記

29日(水)。わが家に来てから今日で1427日目を迎え、国民的な人気アニメ「ちびまる子ちゃん」の作者、さくらももこさんが亡くなったことを受けて、世界中で53歳の早すぎる死を悲しむ声が広がっている というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                   何年経っても歳をとらない永遠の小学生は ののちゃんとまる子ちゃんだけだね

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラこんにゃく」と「厚揚げとトマトの和風炒め」を作りました 「豚バラ~」のこんにゃくが黒く見えるのは焦げているのではなく、気のせいです 「厚揚げ~」は新聞の「料理メモ」にあったレシピですが、初めてにしては上手に出来ました

 

     

 

         

 

27日の朝日夕刊 文化欄に新日本フィル音楽監督・上岡敏之氏のインタビュー記事が載っていました。超訳すると

「人見知りをするので、オーケストラとはようやく親密になり、個性が見えるようになってきた。まだつぼみだが、花開けばオーケストラ全体の個性が出てくると思う」。昨秋、レーガー、ツェムリンスキー、ニールセンのあまり演奏されない3曲を録音したことについては、「神秘的で少し危険な、聴けば聴くほど味が出る曲なんです」。定期演奏会の曲目の脱・定番化をはかっている。時間をかけて練習を重ねることには定評がある 新しい曲では技術や表現の課題をクリアするため、よく演奏される曲ではこびりついた弾き方の『垢』を落とすためだ 新日本フィルに限らず、日本のオーケストラは統制がとれすぎているという 「間違ったり人に迷惑をかけたりしたくない気持ちを乗り越えて、何をしたいかを表してほしい それができる状況を作り出すのが僕の役目だと思っている」「どんな曲にでも物語を見つけてドラマにしてしまう」のがオペラ指揮者の癖だという

上岡氏の「日本のオーケストラは統制がとれすぎている」という指摘は、27日の当ブログでご紹介した「全員が指揮者を見ないで、お互いの音を耳で聴いて演奏する『デア・リング東京』」の記事で指摘されていた「指揮者・コンサートマスター・首席奏者・奏者」というヒエラルキー構造のことを言っているのではないかと思います

9月から始まる新日本フィルの2018-19シーズンはジェイド(サントリーホール)シリーズを選びました 上岡氏の指揮で聴くのは①10月27日のブルックナー「第9番」&「テ・デウム」、②来年3月30日のマーラー「第2番”復活”」、③5月10日の「ワーグナー・アーベント」です いずれも重量級のプログラムですが、上岡氏がどのような指揮をするのか興味深いものがあります

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「ザ・シークレットマン」を観ました これはピーター・ランデズマン監督による2017年アメリカ映画(103分)です ニクソン米大統領がアメリカ合衆国史上初めて任期半ばで辞任に追い込まれるキッカケになった「ウォーターゲート事件」の全貌と、謎の内部告発者の姿を描いています

1972年6月、ワシントンD.C.にあるウォーターゲート・ビルに入居している民主党全国委員会本部オフィスに5人の男が侵入し、逮捕された。彼らは盗聴器を設置していたが、事件の真相を突き止めるためFBIの捜査が入ることになった。後に その事件は「ウォーターゲート事件」と呼ばれることになった。フーバーFBI長官の急死後、「ウォーターゲート事件」の捜査の指揮に当たっていたFBI副長官マーク・フェルト(リーアム・二―ソン)は、なかなか進展しない捜査の裏にホワイトハウスが捜査妨害をしていることを察知し、事件自体がホワイトハウスの陰謀によるものであることを悟る 大統領に忠実なL・パトリック・グレイFBI長官(マートン・ソーカス)に捜査協力が期待できない中、フェルトは真相を明るみにするため極秘情報のリークという大胆な決断をする

 

     

 

「ウォーターゲート事件」については、スクープ記事を書いたワシントン・ポスト紙の記者、カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードの回想録を映画化した「大統領の陰謀」(1976年アメリカ映画・132分)があります ダスティン・ホフマンがバーンスタインを、ロバート・レッドフォードがウッドワード記者を演じたこの映画は、FBIの内部情報提供者(ディープ・スロート)から極秘情報を得る側の立場からウォーターゲート事件の真相に迫っていますが、リーアム・二―ソンがFBI副長官マーク・フェルトを演じる「ザ・シークレットマン」は、FBIの内部情報提供者(内部告発者)の立場から事件の真相に迫っています

この映画で一番印象に残っているのは、マーク・フェルト副長官がホワイトハウス関係者から捜査の進展状況を報告するよう求められたとき、「FBIは独立機関だ。誰からの指示も受けない」と突っぱねるところです  これは「司法」「行政」「立法」の三権分立の考えに立つもので、捜査機関はどんな組織・人物からも独立していなければならないという信念に基づいています

マーク・フェルトはFBI退官後 長い間沈黙を守ってきましたが、2005年5月31日に「自分がディープ・スロートだった」と認め、ウッドワードもそれを追認しています

この映画を観ると、この時期(2017年)に公開された意味を考えざるを得ません 言うまでもなく、トランプ米大統領を巡る「ロシアゲート事件」のことです。簡単に言えば「ロシア政府が昨年のアメリカ大統領選挙でトランプ陣営に有利な介入を行ったのではないか」ということで、FBIのコミー長官がこの疑惑について担当・調査に当たってきたのですが、コミー長官はトランプ大統領から突然解任されました。これでますますトランプ大統領のロシアゲート疑惑が深まったと言えます

ギンレイホールでは「ザ・シークレットマン」とともに「ペンタゴン・ペーパーズ  最高機密文書」を同時上映しています(9月7日まで)。これはスピルバーグ監督による2017年アメリカ映画(116分)です ベトナム戦争が泥沼化していた1971年、戦争の実態を分析した最高機密文書の一部がニューヨーク・タイムズによってスクープされ、ワシントン・ポストがそれを追いかけて訴訟覚悟で報道したというものですが、女性として初めて新聞社の社主に就任したワシントン・ポスト紙のキャサリン・グラハムの「経営か報道か」を巡る苦悩を描いています 詳細は4月17日付の当ブログをご参照ください

参考までに、この2つのストーリーの時系列を説明すると、まず「ペンタゴン・ペーパーズ」事件があり、その後「ザ・シークレットマン」のウォーターゲート事件が起こったという順番になります 共通するのは、当時のアメリカは共和党のニクソン政権だったということです

さて、現在進行形のトランプ大統領を巡る「ロシアゲート事件」は今後どうなるのでしょうか? 11月のアメリカの中間選挙までに何らかの動きがあるのでしょうか? がんばれ! 独立CIA

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