人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

川瀬賢太郎✕神尾真由子✕神奈川フィルで「絶品フレンチⅡ~天才サン=サーンス」を聴く~ヴァイオリン協奏曲第3番、交響曲第3番「オルガン付き」、歌劇「サムソンとデリラ」からバッカナール

2018年08月04日 07時50分10秒 | 日記

4日(土)。わが家に来てから今日で1402日目を迎え、国連人権理事会で「表現の自由」を担当する特別報告者 デビット・ケイ氏は2日、メディアを敵とあおるトランプ米大統領を批判し、「ジャーナリストに対する真の暴力を招く恐れがある」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプにとって 自分に不利なことはすべてフェイクだから 国連も例外じゃない

 

         

 

昨日、夕食に「肉豆腐」を作りました 諸般の事情によりいつものサラダ作りはお休みしました

 

     

 

         

 

昨夕、ミューザ川崎で「神奈川フィルハーモニー管弦楽団 絶品フレンチⅡ~天才サン=サーンス」を聴きました これはフェスタサマーミューザの一環として開かれた公演です。オール・サン=サーンス・プログラムで、①歌劇「サムソンとデリラ」からバッカナール、②ヴァイオリン協奏曲第3番、③交響曲第3番「オルガン付き」です ②のヴァイオリン独奏=神尾真由子、③のオルガン独奏=大木麻理、指揮=川瀬賢太郎です

午後7時からの公演に先立って、午後3時半から同じ会場で公開リハーサルが開かれました 指揮者が登場するまで楽員は各自 普段着で練習していますが、一人だけホテルのバスローブというか、柔道着というか、ボクサーのガウンというか、そんな感じの白の衣装でヴァイオリンを弾いている人がいます。コンマスでした   この人はいつも奇抜です。態度も。この人が2001年に東京フィルに吸収合併される前の新星日本交響楽団のコンマスをやっていた時は、イヤリングをして演奏していました   演奏途中で外れそうになり、慌てて取り外してポケットに入れて演奏を続けたところを家政婦は見た  最初からイヤリングなんかしなければいいのに、と思ったものです その代わり、最近は ヴァイオリンの指板にダイヤモンドみたいな光る物体を埋め込んでいるようで、弾くたびにピカリと光ります ほかのオケのコンマスにもいましたね。まあ、そんなことはどうでもいいか 演奏が上手ければ良いのです

さて、リハーサルはプログラム順に進行しました 「バッカナール」では通して演奏した後、何カ所かやり直しをしました。「ヴァイオリン協奏曲」では楽章が終わるごとに止めて、修正箇所をやり直して仕上げていきました 神尾真由子は普段着だと別人に見えます 「交響曲第3番」では、第1楽章第2部に入るところで、川瀬は副指揮者の阿部に指揮を任せ、自分は2階席に上がり音のバランスのチェックをしていました その後は、第2楽章に移り、もう一度第1楽章に戻り、スコアブックに赤や青の付箋の付いたページの箇所をおさらいしました 川瀬は大きな声で分かり易く指示を出し、思ったよりも細かく仕上げ、予定の5時半までみっちり続けました

 

     

 

さて本番です。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成です 会場は9割方埋まっているでしょうか 地元神奈川の県民がこぞって「われらのオーケストラ」を聴きに集まって来たという感じでしょうか そうだとすれば オーケストラ本来のあり方で、とても良いことだと思います

1曲目は歌劇「サムソンとデリラ」からバッカナールです カミーユ・サン=サーンス(1835‐1921)の歌劇「サムソンとデリラ」は旧約聖書に基づくオペラで、1877年に初演されました 紀元前のガザが舞台で、超人的な力を持つ英雄サムソンはイスラエル軍を率いて敵のペリシテ人と戦いますが、敵の美女デリラの色仕掛けによって籠絡され捕らえられてしまいます 敵将の捕縛を祝うペリシテ人の酒宴が開かれる時の音楽が「バッカナール」です

川瀬賢太郎の指揮で演奏が開始されます。冒頭、オーボエ・ソロによるエキゾチックな演奏が素晴らしい 神奈川フィルにはこんなに素晴らしいオーボエ奏者がいたのかと驚きました

この音楽を聴きながら、2001年のメトロポリタン歌劇場来日公演のことを思い出していました 私が聴いたのは同年6月3日(日)HNKホールでの公演で、プラシド・ドミンゴがサムソンを、オリガ・ボロディナがデリラを歌い、ジェームズ・レヴァインが指揮をとりました 今考えると相当贅沢なキャストです


     

     


当日は 当時の首相・小泉氏が2階正面席で鑑賞していて、翌日の朝刊に記事が載りました


     


本筋に戻ります。2曲目は「ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調作品61」です この曲は1880年(作曲者45歳)に当時の巨匠ヴァイオリニスト、パブロ・デ・サラサーテのために作曲し、彼によって初演されました

第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンティーノ・クワジ・アレグレット」、第3楽章「モルト・モデラート・エ・マエストーソ~アレグロ・ノン・トロッポ」の3つの楽章から成ります

会場いっぱいの拍手に迎えられて、真っ赤なドレスを身にまとった神尾真由子が登場しスタンバイします 川瀬の指揮で第1楽章が開始され、神尾の厚みのあるヴァイオリンが力強く入ってきます かなりの超絶技巧曲ですが、彼女はそういうことを感じさせません ごく自然体で1731年製のストラディヴァリウス「ルビノフ」を駆使します 第2楽章は大好きな音楽で、この楽章を聴くたびに、夕暮れ時の穏やかな空を思い浮かべます 神尾の演奏はニュアンスに富んだとても美しい演奏でした 第3楽章は再び超絶技巧が求められますが、神尾のヴァイオリンはオーケストラとよく溶け合って上質な響きを醸し出していました

満場の拍手とブラボーによりカーテンコールが繰り返されましたが、神尾のアンコールはありませんでした。見識です


     


プログラム後半は「交響曲第3番ハ短調作品78『オルガン付き』」です この作品はロンドンのフィルハーモニック協会の委嘱により作曲され、サン=サーンスが51歳の1886年にロンドンで初演されました この作品の大きな特徴は①パイプ・オルガンが使用されていること、②循環主題が全曲を通して繰り返し演奏されることの2つです

第1楽章=第1部「アダージョ~アレグロ・モデラート」、第2部「ポーコ・アダージョ」、第2楽章=第1部「アレグロ・モデラート~プレスト」、第2部「マエストーソ~アレグロ」の2楽章から成ります

オケが入場し、2階正面のパイプオルガン席にはミューザ川崎シンフォニーホール・ホールオルガニストの大木麻理がスタンバイします

川瀬の指揮で第1楽章が開始されます この楽章では第2部「ポーコ・アダージョ」でのオルガンと弦楽器による美しいハーモニーが強く印象に残りました 第2楽章では第1部の冒頭、パイプオルガンが最強音で会場に鳴り響き、弦楽器がきざみ、続けてピアノが入ってくるところがたまらなく好きです オルガンも弦楽器もピアノも素晴らしい演奏でした そして、第2部「マエストーソ~アレグロ」の”前進あるのみ”的な推進力がたまりません こういう音楽を聴くと、サン=サーンスはやっぱり天才だったんだなと思います

演奏中は川瀬の指揮ぶりをよく見ていたのですが、譜面台に置かれたスコアブックには沢山の青色の付箋が貼られていました リハーサルの時は赤と青の付箋が貼られていましたが、赤はリハーサルで課題がクリアされたので本番では剥がされたのでしょうか? そして 残った青は自分自身が気を付けるべき箇所の印でしょうか? いずれにしても、リハーサルの成果が付箋に込められていると思いました

すべての演奏を聴き終わって思ったのは、若き指揮者・川瀬賢太郎はかなりの勉強家・努力家だなぁ ということ、そして、神奈川フィルなかなかやるじゃんということです

         

さて、コンサートについては以上の通りですが、実は困ったことがあります 今年のフェスタサマーミューザは「オーケストラセット券」を買っている関係で、11公演については同じ席で聴くことになります したがって、隣席の人もセット券の場合はいつも同じ人が座っていることになります。私の場合はそれに該当します

右隣りの女性とその右の男性(いずれも定年まであとわずかという感じの高齢者で、同じ職場に勤務しているらしい)が困ったちゃんカップルなのです 私はいつも開演5分前に席に着くのですが、そのたびに その女性が職場の同僚(複数)の悪口を言っていて、隣の男性が相槌を打っているのです これまで6回オーケストラ公演がありましたが、例外なくすべての公演でそういう状態でした よほど職場環境の悪いところで働いているのだろうと察しますが、同情できません コンサートを聴きに来るということは、日常生活を離れて非日常の世界に入るということです ロビーやホワイエに居る時は何を話そうが個人の自由ですが、一旦コンサートホールの中に入ったら、コンサートを聴く態勢にスイッチを切り替えるべきです。周囲に聴こえる声で他人の悪口を言い触らすような行為は周りの人を日常に引き戻し 心底ウンザリさせます ひと言でいえば、コンサートを聴こうとする心構えが出来ていないのです 演奏中に不愉快な行為をするわけではないので、まだましなのかも知れませんが、こういう行為は麦わら帽子を被って 雪駄を履いて 大きな荷物を背負って オケが入場するのと同時に入ってきて 最前列のど真ん中に座る サスペンダー爺さんと同じように、非常に不愉快です

というわけで、何とも注意のしようがない高齢カップルに困っています あと5回あるし

 

     

コメント
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