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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

会話のない映画「エッセンシャル・キリング」を観る

2011年08月12日 06時37分49秒 | 日記
12日(金).昨日は夏休みを取り,映画でも観ようと渋谷に出ました.たしか東急文化村のル・シネマで「プッチーニの愛人」をやっているはず.ケータイで検索をかけたのですが,「ル・シネマ」が出てきません.おかしいとは思ったものの,乗りかかった船.JRで渋谷に出て文化村に行ってみました.何とシャッターが降りていて「11月まで改装工事のため休館します」と張り紙が出ていました

仕方ないので,近くの映画館でおもしろそうな映画をやっていないか探すことにしました.まず「ユーロ・スペース」に行くとあまり気の乗らない映画です.そこを諦めて「シネマライズ」に行くと,やはり興味をそそる映画ではありません.駅の方に戻って「東宝シネマズ」に行ってみましたが,子供向けの映画しかやっていません.この夏一番の暑さと思われる中,汗だくで歩き回ってこの有様です.急に思いついてクラシック喫茶「ライオン」に行ってみることにしました.ところが,ここも時間が早すぎて開いていません 11時開店らしいのです.

ここまできて諦めたら,何のために渋谷まで来たのかわからないので,もう一度,”近くの映画館”で検索すると「シアター・イメージフォーラム」が出てきました.上映しているのは「エッセンシャル・キリング」.調べると祖国ポーランドを拠点に映画製作を続けているスコリモフスキ監督の最新作とのこと.2008年に「アンナと過ごした4日間」という映画を撮っているとのことでした.この映画は記者クラブの試写会で観ました.「よし,これにしよう」ということで宮益坂を上がって上映30分前の10時半に映画館に着きました.汗だくです

主人公ムハンマドはアフガニスタンに潜伏するイスラム原理主義系テロ組織の活動家らしいのですが,詳しい説明はありません.アメリカ兵を殺して一旦捕まりますが,護送の途中で自動車事故に遭い辛くも逃亡します.その後は,生きるために蟻を食べ,木の皮を剥いで食べ,逃亡を続けます 彼はただひたすら逃げます.そこに会話はありません.他の登場人物同士の会話はありますが,ムハンマドと相手の人間との会話は一切ありません.彼をかくまってくれた民家の主婦でさえ,監督は声が出せない役割を与えています.彼が言葉らしき言葉を発するのは,多くの野犬に囲まれたときに発する叫び声だけです.要するに主人公は動物と同じように本能的に生きる立場に追い込まれていると言えます

最後に,主人公が民家の主婦が用意してくれた馬に乗り,血を吐いて白い馬の毛並みを赤く染めながら逃亡を続けるシーンで映画は終わります.「えっ,これで終わりなの?」という感じ,あっけない幕切れです 彼は生き延びることができるのか,まったく答えは用意されていません.もし,自分が彼のような極限の立場に置かれたら,果たして生き延びていけるだろうか?と考えさせられる映画でした.

映画が終わって,軽く昼食をとってから久々に「タワーレコード」に行き,CDのクルージングをしました.要するに店内をくまなく歩き回っておもしろそうなCDがないかどうか物色することです.ここで,クラシックのCDを4枚とジャズのCDを1枚買ってきました これについては別に書きます.

その後,再び「ライオン」に行ってみました.コーヒー1杯が520円.少し前に500円だったような記憶がありますが,私に相談もなく値上げしましたね リクエストでチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番がかかっていました.だれの演奏かはわかりませんが,きわめて威勢のいい演奏でした

    
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