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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

川崎市、22億5千万円で支援~「ミューザ川崎」復旧に向けて

2011年08月06日 07時08分40秒 | 日記
6日(土).4日付の朝日朝刊「オピニオン面」に、東京交響楽団の大野順二楽団長がこのたびの大震災で被災したミューザ川崎の復旧に向けた活動について書いています

「ミューザ川崎は、川崎市が2004年に建てた2000人収容の大ホール。東京交響楽団は市とフランチャイズ契約を結び、年間30回の定期演奏会と、100日のリハーサルを行ってきた 1年の3分の1をミューザで過ごす。それが、このたびの大震災でホールの天井が崩落し使用不能となった

調査と復旧に約2年がかかる。その間何をするべきか。どうやってモチベーションを維持するか。市と川崎市文化財団の協力を得て代替ホールを探した。幸い市内の昭和音楽大学、洗足学園大学、NECのホールを借りられることとなり、現在も演奏活動を続けている

震災後、20公演がキャンセルになり、約8千万円の損害が出た 事業規模約13億円の楽団にとっては痛い。今は、震災直後から比べれば客も戻ってきたが、まだまだである。市議会もホール復旧の予算22億5千万円を可決してくれた。われわれも負けてはいけないと思う

サントリーホールがオープンしたのは1986年で、今年25周年を迎えました。このたびの大震災で被害にあったとは聞いていません 一方、同じワインヤード方式(舞台の周りを客席で囲む方式)を採用したミューザ川崎は2004年のオープンで、まだ7年しか経っていない新しいホールです。しかし、このたびの震災で大きな被害を受けました この差はいったい何なのでしょうか? 単に私企業のホールと地方公共団体のホールの違いだけでしょうか?

川崎市のホームページで7月11日の市長の記者会見の内容を見ると、ミューザ修復の一般会計補正予算が可決・成立したことを受けて、次のやり取りがあります。

記者:ミューザの件で、この前の議会で、局長の方から国の技術的助言とは違う工法でつくられていたというふうな答弁がありましたけれども、このことについては、市長はどういうふうに受けとめていらっしゃるんでしょうか。

市長:これは、要するに、国の技術的助言というのが抽象的なわけですよね。「地震の揺れにも耐えられるように」という抽象的な文言で、当然、それに耐えられるように設計もしてきて、色々な手も打ってきたけれども、国が指導している「大きな地震にも耐えられるように」ということが、そうではなかったということで、結果的にそうなったということですよね。ですから、どこまでやれば安全かという基準がなかったわけですよね。抽象的に「大きな地震のときでも崩れないように」ということですから。だからその辺が、最終的にどこに責任があるんだということを判断する1つの大きな重要な要素になってくると思うのです。まさに想定外だったということになるのか、やはりそのぐらいのことは当然考えてやっておくべきだったとなるのかが、1つの分かれ目になると思うのです。

市が修復のための補正予算を組むという事実と、以上のやり取りをみる限り、「ミューザ設計時に国から”大きな地震にも耐えうるように”という技術的な助言があったが、具体的な数値的根拠がなく抽象的だった。しかし、結果的には今回の大地震には耐えられなかった。したがって、国ではなく、市の予算から修復費用を支出することとした」と解釈できます。

私は川崎市民ではないので何を言う権利もありませんが、国があてにならない状況の中で、市が一コンサートホールの修復のために22億円もの補正予算を組んだのはやむを得ない選択だったと思います もっと積極的に評価をしてもいいのかも知れません。地域の文化を守るために、よくぞ決断してくれた、と

市は”調査”の中間報告を受けて修復工事の発注にかかるとしていますが、まだ報告は出ていないようです。今回の被災を踏まえて大地震に耐えうるホールを再建してほしいと切に願っています

   
コメント (2)
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