人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

川久保賜紀,遠藤真理,三浦友理枝で3大コンチェルトを聴く~読売日響サマー・フェスティバル

2011年08月20日 06時51分37秒 | 日記
20日(土).昨日雨が降ったせいか,夕べから今朝にかけて涼しいですね 「これで秋になるとありがたいなぁ」と言うと,娘は「これで夏が終わりだとさみしいな.もう一度暑くなってほしいなぁ」と言います.不届きな娘です.やっぱり電力事情も考えないと.エゴじゃなくエコを.ノーモア・ホットサマー

昨夕、サントリーホールで読売日響のサマー・フェスティバル「3大協奏曲」を聴いてきました プログラムは①メンコン②ドボコン③チャイコンの3曲です.正式には①メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲ホ短調」(VN:川久保賜紀)②ドボルザーク「チェロ協奏曲」(VC:遠藤真理)③チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」(PF:三浦友理枝)です.このコンサートの”売り”は,言うまでもなく川久保,遠藤,三浦の3人の人気ソリストが一堂に介し,それぞれ有名なコンチェルトを演奏することです.指揮は梅田俊明.

読売日響は本当に久しぶりに聴きます.コンマス,第1,第2バイオリンの何人か,ティンパニくらいしか顔を覚えていません.相変わらず男性の比率が高いオーケストラです.約90人のうち女性は15,6人程度です.N響と同じくらいでしょうか 女性比率の高い東フィルや東響とはまったく違います.

先発の川久保賜紀は2002年チャイコフスキー国際コンクール最高位(1位なしの2位)を受賞,ゲバントハウス管弦楽団,ロサンゼルス・フィル,ベルリン交響楽団などと共演し,世界各地で活躍しているバイオリニストです.

メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲は,彼が指揮を務めていたライプチッヒ・ゲバントハウス管弦楽団のコンサートマスターだったフェルディナント・ダビッドのために1844年に書き下ろされた曲です.各楽章が切れ目なしに続けて演奏されるという特徴があります お気づきかもしれませんがゲバントハウス管弦楽団は今なお存続している世界最古のオーケストラです

川久保賜紀は水色の爽やかなコスチュームで登場です.第1楽章の出だしを聴いて”やわらかい”あるいは”おだやか”という感想を持ちました.一言で表現するのは難しいのですが,”100のうち80の力で弾いている”という印象を受けました.「80の力で弾けば”あとはバイオリンが自然に音楽を奏でてくれる”ことを信じて演奏している」と言ったらいいのでしょうか.フォルテでも決して力むことなく,ピアニッシモはあくまでも美しく,メロディーが自然に流れます

リリーフの遠藤真理は2006年「プラハの春」国際コンクールで第2位を受賞,プラハ交響楽団などと共演しているチェリストです.

ドボルザークのチェロ協奏曲は,彼がニューヨークのナショナル音楽院の院長の任期が終わろうとしていた1894年に作曲に取り掛かり,チェコに帰国後に第3楽章の終結部を作曲しました.

遠藤真理は前後が緑青,左右が白,前に花柄のついたコスチュームで登場しました.”しっとり落ち着いた”賜紀お姉様の後を受けて,やる気満々の元気な妹の登場,といったところでしょうか 第1楽章から100のうち100を出し切って力一杯ドボルザークに挑戦します.この曲はメロディーラインが美しく,思わず口ずさんでしまうほど素晴らしいのですが,遠藤は小さな体を駆使して作曲家の意思を表現します.私は演奏を聴きながら”ガンバレ”と応援していました

クローザーの三浦友理枝は2000年ショパン国際コンクールでディプロマ賞を受賞,2001年マリア・カナルス国際音楽コンクールで優勝するなど,幅広く活躍しているピアニストです.

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番は,名ピアニストであったルビンシテインに初演してもらうことを念頭に作曲したのですが,「このままでは演奏できないので書き換えろ」と酷評され,結局ドイツの指揮者ハンス・フォン・ビューローの指揮で初演されました.

三浦友理枝は輝くシルバー・グレイのコスチュームで登場しました.第1楽章冒頭,ホルンの有名なテーマに次いで,ピアノが豪快に和音を奏でます 三浦はフォルテのオーケストラに負けていません.大きい音を出せばいいわけではありませんが,「わたしが今日の”トリ”だから,よろしくね」といった感じで堂々たる演奏を展開します コスチュームは渋いいぶし銀でしたが,演奏は華麗な力演でした.

三浦の演奏が終わり,2回,3回と舞台に呼び戻されましたが,最後に三浦が舞台の袖に引き上げる際に,指揮者の指示でオーケストラが解散して,ソリストと同時に袖に引きあげていったのは,ソリストに対して失礼ではなかったでしょうか せめてソリストが袖に引っ込んだのを確認してからでも遅くはなかったと思うのですが・・・・・開演は午後6時半で,終演は午後8時50分でした.「9時までにすべて撤収しなければならない」など,ユニオンとの契約があったのでしょうか?事実関係は分かりません

なお,この日登場した3人はトリオを組んで演奏することもあり,私は今年1月29日に文京シビックホールで東京フィルと共演したベートーベンの「ピアノ,バイオリン,チェロのための三重奏曲」を聴きました.3人そろうと正に”三姉妹”という感じでした

   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする