今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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きれいなカラーデミの巻

2022年06月05日 16時30分00秒 | ブログ

京都のご常連さんが程度の良いカラーデミを入手されて来ました。独特な最中(もなか)構造と言われる外装は初期型は真鍮に梨地クロームでしたが、この2型はアルミのパールアルマイトとなって、軽く明るい印象となりました。カラーデミは青、白、赤の三色が発売されましたが、どれも女性にアピールするきれいなカメラとなっています。私も同じ青デミをクラカメブームの頃に新宿のカメラのドイで入手していますが、どこへ仕舞込んだか・・

発売が1963年ですからモルトはすでに風化して取り除かれています。しかし、リコーオートハーフと同様に、形状が特殊のため貼り替えが少し面倒です。

 

上下のグレー部分の塗装は弱く、私の個体でも剥離をしていましたのでリペイントをした記憶があります。

 

可愛らしく完璧なデザインですが、裏蓋のラッチ機構は少し武骨のように感じます。ただし、強度や確実性は良いです。

 

このカメラの問題はセレンの不良によるメーター不動ですね。ライトバリュープログラムのEEですから何とか動かしたい。

 

私としては古い露出計からセレンを調達して交換するのが良いと思いますが、オーナーさんのご判断によりソーラーセルを試してみます。形状的には収まります。

 

セルの左右は黒紙で塞いであるので前からの違和感はない(かなぁ?)と思います。

 

で、メーター針は振れ過ぎるように動きます。色々と調整を試みましたが、やはり定格も特性も全く異なりますので露出計として折り合いをつけることが出来ず、結果的に取り付けは断念しました。⚡ストロボ位置1/30固定で絞りは調節可能ですから、それで撮影して頂くようですね。

ファインダーはコストが掛かっています。ケブラー型実像ファインダーで視野率90%。贅沢にプリズムが使用されています。多くの個体ではレンズの白濁が起きていますが、この個体はそこまでの曇りはなく清掃で大丈夫です。

清掃後、本体に取り付けます。

 

 

シャッターのメンテナンスをしておきます。

 

 

裏蓋のモルトを貼ります。このような特殊な形状の場合は急がば回れ、型紙を作った方が確実です。

 

レンズだけは過去に清掃歴があって、前玉の仕様に伴う細かな傷と後玉のコーティングに過去の指紋のような汚れが固定されています。

 

上カバーを載せます。

 

 

裏蓋のモルトの状態。

 

 

2型のアルミのアルマイト仕様は強度的には弱いので使用キズや打痕がある個体が多いですが、その中では非常に良いコンデションを保っていると思います。

それと、しばらく都合により更新が出来ないかもしれません。

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