すみません。PEN-Wの画像を最後まで記録していなかったので私物の時計なんぞを数枚。息子用の時計(セイコーマーベル)を作ろうと部品を集めていましたが、ほぼ目途がついたので組んでいます。機械は、水が浸入してジャンクになった物などのニコイチで組みました。マーベルは製造時期によって数種類の機械が存在しますが、幸い部品の流用は可能でした。息子は私と同じで腕が細いため、直径の大きい時計はしっくり来ないので、マーベルでも初期のケース外形32.8mmのものを使います。同じマーベルでも後期に向かって少しずつケースは大きくなる傾向があります。文字盤や巻き芯も新品で入手していましたが、最後まで調達が出来ないのが風防です。ケースも小さいタイプですから、当然、それにセットする風防も小さい(直径30.06mm)のです。31mm以上であればなんとかなるんですけどね。
この頃の風防はトキライトとか言うプラスチック製のドーム型をした非防水用のものですが、やっと入手をした風防は、もう少し時代が後用のもので外周の部分が角ばっているんですね。右が純正(割れています)の風防ですが、この時代の時計は丸みのあるドーム風防でなくては似合わない。仕方がないので、簡易的なチャックを製作して外周を研磨して製作してみました。それが左のもの。内側の形状が違うのであまり削るわけにも行きませんので、この辺で妥協しておきました。まぁ、何とか使えるでしょう。
では、PEN-W #1050XXです。PEN-Wはジャンクにはならないのですけど、オーナーさんにきれいに手入れをされている個体と、使われっぱなしでばっちい個体の二つに分かれます。この個体は後のタイプ。例によってきれいに写っていますが、吊環部へこみやシボ革の溝に手垢がゴッテリ詰まっています。撮影中におしっこしてそのままの手で使ったんですよ。カメラに対するお考えもあろうかと思いますが、なるべくきれいにしたいものです。
レンズにお決まりのバルサム黄辺と周辺剥離がありますけど、清掃で曇りがきれいになりましたので意外に良い状態になりましたよ。シャッターは未分解でしょうね。それではまともに動きませんが、こちらも意外に消耗は進んでいませんね。使用過多になるとピンセットの部品のメッキ端面が磨耗をして下地の銅メッキが出てきます。そうなると磨耗が早く進むようになります。定期的なメンテナンスで磨耗防止の潤滑をしておくことが肝要です。
完成したシャッターユニットを洗浄した(茶色い汚れが出ました)本体に組み込みます。分解前には1回ごとに巻上げのミスをしていましたので調整をしておきます。ファインダーもこれでもかという感じて汚れていましたね。これで見えたのかなぁ? 多分、現オーナーさんは入手されてすぐにオーバーホールを出されたのだと思いますけど、作業前と後では全く別物の操作感になりますよ。ギシガチャ動くのがオリジナルだと思って頂きたくはありません。その他、吊環部のへこみを修正して完成しています。調子は良好ですでにお帰りになりました。