PEN-W #1064XXがオーバーホールに来ています。防湿庫に保管されていたようですがレンズに曇りとシャッターフリーズです。過去に分解修理を受けていますが、残念ながらあまり感心しない作業ですね。トップカバーの「W」が黄色になっていますね。余計なことを・・駒数ガラスは一度剥離して再接着をされていますが、トップカバーに密着せず、片側が浮いています。
裏側がら見るとね。ゴム系の接着剤で接着されており、工場で接着されてエポキシ接着剤を取り除いていないため駒数ガラスが下がってしまっていたのです。接着も不完全でしたし、クラックも入っていますので一度分離して接着剤のカスをきれいに取り去りますが、エポキシはPEN-Sなどクロームメッキ部分は比較的剥離することが容易ですが、この個体のように塗装面は接着剤の食いつきが強くきれいに剥離することは非常に困難です。観察すると、前回の接着時にも剥がそうとナイフ様のものを当てたキズがあります。難しいので諦めたのでしょう。ここで諦めていたら満足の出来る仕上がりにはなりませんよ。ついでですからガラスは新品にさせて頂きます。
タイトルのシボ革ですが、これ変なのです。シャッターユニットを取り出すためにシボ革を剥がしますが、すると何やら白っぽく変化します。観察すると、透明な樹脂のようなものを塗ってあって、シボ革の生地を曲げたために剥離をしたということです。改めて全体を見てみると、シボ革全体がマニュキュアを塗ったようにピカピカ光っています。まぁ、なんて事を・・オーナーさんが塗ったものではないと信じたいですが、全く余計なことを・・
シャッターユニットはハウジングの留めビスのスリ割りが壊され放題。どうしたらこんなに無神経に部品を傷つけられるのか? よって、内部もダメですね。これでは動きません。
呆れ返って画像を撮るのもアホらしい。レンズの曇りも清掃出来ました。防湿庫保管でしたので悪化を防いだのでしょう。駒数ガラスは新品でトップカバーにぴったり密着しているでしょ。下がって接着すると針と干渉してしまうのです。調子は最高ですよ。くれぐれも余計なことはしないように。