これは何だか分かりますね。キヤノンのダイヤル35ですね。当時、おもしろいデザインだなぁ、と思った記憶がありますが、修理となるとあまり好きなカメラではありません。商品的にはおもしろいんですが、奇抜なデザインを優先するために無理な機構をとって分解するのが非常に面倒な設計。今の若い人に「ダイヤル」って言ったって電話のダイヤルなんか知らないよね。そう言えば、刑事ドラマのダイヤル110番(古い)のタイトルに出てくる600型より古い電話機がまだ家にあります。若い頃に秋葉原の万世ビルのジャンク屋で買ったんだ。で、この個体は後期型で北米に輸出されたBELL&HOWELLバージョン。外観はきれいであまり使われなかったのでしょう。イーベイで入手されたのかな? しかし、シャッター羽根が途中で開きっぱなしになっています。で、めんどくさい分解ですが、マニュアルは初期型のモーター部で後期は強化されたタイプ。左に回すと外れるとなっているが、後期型はナット締めになっているので外れません。専用の薄レンチで外します。またまた、そう言えば、ベルハウエルは映写機やOHPなどを作っていて、東京の東村山に工場がありました。じつは、私が営業で担当していたことがありました。しかし、その直後に撤退して行きました。担当の女性は英語が出来て、ハイセンスな方だったなぁ・・
お話しが横道に逸れました。で、このように分離しています。モルトはベトベトでいつも触りたくないんだよなぁ。果たして治るのでしょうか?
ご覧のようにシャッター羽根が開いたままになっています。レンズもかなり曇っていますね。しかし、北米にあったものと見えてカビのような湿気によるダメージはないようです。この時点であつちこっちに貼られたモルトの残骸を清掃しておきます。デザインを優先させるために無理なレイアウトのため、異常にモルトの部分が多くて閉口します。
すみません。昨夜は2時過ぎまでやっていましたので画像を撮るのを忘れました。カメラとしてはどってことないメカですので組み直して正常に作動しています。こうやって見れば、変なところにレリーズボタンが付いているカメラというだけですね。
後期というのか2型というのかはファインダー窓横にプレートがおごられています。横に筋状の接触キズが目立ちますね。このタイプはハードケースに入っていたはずですけど、内部で接触していたのでしょうか? 確かに懐かしい電話のダイヤルがありますね。
内部の様子。1型とは電池を押えるレバーの基点が逆なんですね。この手のカメラのお約束で、ダミーのフィルムをセットしませんとシャッターは切れません。(スプロケットを巻けば切れますが)ファインダーのミラーなども全く劣化していない状態でした。
国内にあった個体は乱暴な分解を受けてケースがアルミアルマイト処理のためキズだらけになっているものが多いですね。この個体は非常にきれいです。たぶん、使い始めた初期に故障をして修理をしないまま保管されていたのではないかと想像します。変り種のカメラをコレクションしたい方は欲しいのでしょうね。治す方はストレスが溜まりますけど・・