がたぱしゃさんから腕時計が届きましたよ。ご趣味が山登りですから、セイコー・チャンピオン850 アルピニストと言う防水強化型のケースに入ったモデルですね。1964-7月の製造です。ステンレスモデルもありますが、このモデルは金めっきモデルです。風防内周の部分の劣化が気になりますね。
ケースの内周は研磨をしてあります。風防は新品が付属して来ましたが、残念ながら寸法が適合しませんので使えません。そこで、かなりヤレた古い風防を必死に研磨してみました。まぁ、そこそこ見られるようになりましたね。
ケースを仕上げて、機械を分解しましたが・・・ここで問題が発生しましたよ。
リュウズの抜き差しでクリック感を出す「カンヌキ押エ」という部品の板バネの部分が折れています。古い時計では、ここは金属疲労により折れやすい部分です。これは部品を交換するしかありませんね。
機械は第二精工舎(亀戸)製の普及機チャンピオンで17石の手巻き式です。機械としては、目だった磨耗や水入りも無かったようです。受けが直線的なのが特徴ですね。
姿勢差は安定していますので、天真などの磨耗は少ないようです。この頃の機械は、片振りの調整機構がありませんので、直接、ひげゼンマイに触れて調整をして行きます。あとは、不良の交換部品が到着するのを待ちます。
部品取りとして基礎キャリバーを搭載したフェアウェイが来ました。このモデルは、セイコーの始めてのワンピースケースとのことで、56系と同じように裏蓋がありません。機械の取り出しは風防ベゼルを外して行いますが、細いパッキン一つで防水を確保していますが、ちょっと心もとない感じですね。リュゥズの巻き芯はジョイント式ですので、角度を合わせて機械を取り出します。程度が良かったら、このモデルも貴重なモデルなんですね。
瞬間的にはこんなデータが出ますけど、完全に安定はしませんね。
これで完成です。付属のベルトは、19mm幅で、18mmのラグに無理に取り付けられていました。規格の合ったベルトと交換をされるとのことですから、取り付けないでおきます。
朝から、嬉しい!
小気味良い!
ご配慮に深く感謝します。
チャンピオン17をお持ちでしたね。基本的には、このアルピニストと同じ機械になります。この頃は、非防水ケースから防水ケースに移項する時代ですが、非防水の場合は、水に漬けることは厳禁ですので、製品としては革ベルトが付属していたようですが、防水時計となってからは、ステンレスベルトが標準となったのでしょう。非防水時計でも、蛇腹で伸びる金属ベルトをしているおじさんを良く見ましたけどね。風防は、純正はすでに入手困難ですので、社外品を探すことになるでしょうね。
拝見しました。ダイアショックは、動いています。
ガラスが劣化してます。当時は皮バンドだったのでしょうか?
後日、お世話になります。
あそこの部品は古い機種は金属疲労で折れ易いのですね。60年代の手巻きの時代が、日本人の腕には馴染むサイズだったと思いますね。その機械に、自動巻き機構を二階建てにして厚くなったのが60年代中期のモデルです。しかし、60年代後半の56系ユニットは、自動巻きでありながら、専用設計としてありますので、60年代の手巻きと同じぐらいの厚さになっているのはテクノロジーの進化と驚きます。実際に、登山のお供にされるのであれば、ベルトは、皮製ではなく、モレラートのゴム製などにされた方がよろしいでしょう。
部品はどうにか上手く手配しようと思っています。
手巻きの腕時計は子供の頃に父親がしていた記憶があるくらいなのですが、
今回腕にはめてみて、所有している自動巻きクオーツよりも薄くてとても腕にフィットしました。
OHが終わったら、本当に登山にして行きたくなりました。