ご常連さんからリコーオートハーフとハイカラーが来ました。同梱されていた食玩が、おぉ! これ欲しかったんだ。旧日本軍の水上戦闘(偵察)機が2機です。スーパーに買い物の折、箱を手にとって見たのが数回。でも、前回のYS11のように、同じ仕様のものが出ちゃうとなぁ、で購入を断念していました。水上機は日本海軍の思想では非常に重要な機種で、飛行場の無い南方の島々での運用を目的として多数の機種が開発されました。今回は「強風」と「瑞雲」です。強風は二式大艇など水上機に定評のある川西が担当した機体でしたが、海軍の厳しい性能要求のため完成が遅れていたもので、すでに戦況の悪化に伴い、当初の運用が難しくなったため、陸上機に転用されました。それが紫電でしたが、ゲタ履きを取った機体は優秀な性能を発揮しましたが、元々、ゲタ履きのため、中翼設計であったため、脚が長くなって、着陸時の事故が多発しました。それを低翼に改めたものが有名な「紫電改」です。しかし、最近のプラモデルは塗装済みが当たり前のようになって、私たちプラモデラーの製作意欲が削がれますね。専用のマスキング治具を使って塗装された仕上がりは、時間を掛け塗装しても敵わないですからね。まぁ、歴戦の運用機を再現する道は残されていますけど・・スーパーには、このほかに、航空母艦のシリーズがあって、今、それを狙っているところです。第一航空艦隊の空母「赤城」が入っていればラッキーなんですけどね。
で、分解をして見ました。外観からは未分解の個体かな? と思うようなきれいな個体でしたが、内部を点検すると、細部に渡っていじられていますね。まず、セレンが交換されていますね。調整回路はすごいことになっています。しかし、露出メーターの感度は低いようです。
過去に、ファインダーのハーフミラーを交換修理をされているようですが、フレーム枠の位置がズレているとのご指摘。本来はビス留めのフレーム枠が接着剤で貼られています。しかも、かなり乱暴な貼り方で、光が透過するフレーム部分にも掛かっています。ハーフミラーを交換したのであれば、対物レンズの曇りもなんとかすれば良いのに・・・
接眼レンズを分離して清掃の後、各レンズとミラーを清掃して再接着をしたところ。リコーで使った接着剤は、オリンパスより硬度が高く、削り取るのが大変でしたよ。
EE精度とマニュアル絞りを点検します。EEは全く合っていないようです。ピンセット先の真鍮のリンケージは絞り羽根を作動させるもの。これが不自然に曲げられており、スムーズに作動しない状態です。リンケージの修正により作動がスムーズとなりました。その他、レンズの清掃とフリクションモーターのギヤ列にグリスを塗布しておきます。
代わってこのカメラはリコーハイカラー35Sと言うオートハーフの35mm判。Sだからセルフタイマー付きですね。メンテナンスをしていますが、ファインダーの曇りが激しいです。このファインダーはキヤノンのデミと同じタイプですね。画像の対物レンズの後ろにプリズムがあって、オフセットをして接眼レンズに導いています。よって、清掃は簡単ではありません。
ファインダーとシャッターのメンテナンスを終えて、前面カバーを取りつけます。セルフ付きはレリーズボタンの位置もあって、取り付けにはコツが必要です。あまり組立易いカメラではないですね。
きれいなダイヤカットを施されている部分が電池室のフタになっています。右側のASA感度ダイヤルも同型で、このカメラは、左右対称の面白さを狙ったデザインなのでしょう。レリーズボタンが異常に長い気がしますけどね。
巻上げダイヤルのプレートが脱落してきました。何度かぶつけた形跡がありますので、変形によって剥離したのでしょう。修正のうえ、再接着をしておきます。
オートハーフとハイカラー兄弟は完成です。オートハーフは良いとして、ハイカラーは特に昭和を感じるデザインですね。お好きな方はいらっしゃいますけど・・