今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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新しいPENファンのPEN-FT

2011年12月09日 20時03分26秒 | インポート

Dscf310652 今日ね。外出時に本屋さんで立ち読みをしていたら「連合艦隊司令長官 山本五十六」という映画の解説本が出ていて、今月12/23からロードショーが行われるのを知りました。そう言えば、昨日12/8は開戦記念日だったですね。70周年だそうですが、私のような戦史おたくでもなければ気にする人もないでしょうね。「ニイタカヤマノボレ1208」です。映画は、山本長官を役所広司が演じたようですがちょっとカッコ良過ぎで良い配役とは思えませんが、人気役者を主演にしないと興行映画としてはというところでしょうか。アメリカで駐在武官を務めた知米派ゆえに10倍の国力の国と事を構える愚を誰よりも良く知った軍人であったと思いますけど、日本の世論とマスコミが戦争を煽ったことも事実で、開戦への流れには抗し切れなかった悲劇は、分かっていても止められない、この国のシステムの怖さを感じます。映画は真珠湾攻撃も描かれているようで、映画「トラトラトラ」の実物を使った映像と、現代のCG表現との違いは興味がありますが、NHK「坂の上の雲」など、最近の旧皇軍の描き方には閉口してしまいます。「あんな戦闘動作の帝国軍人などいるものか」匍匐前進もまともに出来ない。まるで西洋映画で中国人に演じさせた日本兵のようです。まぁ、演技をつける監督も戦後っ子だから仕方の無いことで、一般の人には違和感はないので良しとしている訳ですけど、私にはどうしても気になって仕方が無いのです。せめて、戦時中の記録映画などを良く研究して演じて欲しいものです。しかし、本当はどんな人物であったのでしょう。「やってみせ、説いて聞かせてやらせてみ、讃めてやらねば人は動かぬ」

戦時中の昭和19年に公開された東宝映画「加藤隼戦闘隊」中のパレンバンへの落下傘降下のシーンで実戦ではありませんが、陸軍省の全面協力により、動作の基本が分かる映像です。降下部隊の部隊長を演ずるは灰田勝彦です。この時すでに加藤部隊長(64戦隊)はイギリスのブレニム爆撃機の邀撃に上がり、ベンガル湾上空で被弾突入して戦死をされています。7.7mmでは欧米の爆撃機は落ちません。演じたのは藤田 進で、軍人を演じたら右に出る役者はいないでしょう。街を歩いていると、外出中の兵隊が敬礼をしてすれ違ったとの逸話があります。

http://www.youtube.com/watch?v=pPc0YZ8GEuQ

で、本題。36コマ1本勝負展に行かれてから、早速PEN-FT+40mmを入手されたとのことで、中古屋さんの通販だそうですが、これが素性が良い個体と見ましたよ。ギヤ列のグリス切れの症状はありますが#2438XXと、20万代中期の滑らかな巻上げフィーリングは残っています。メンテナンスで良くなるでしょう。たぶん、未分解機だと思いますが、難儀な個体もある中、非常に幸運な出会いだったような気もしますよ。では、通常のオーバーホールをしますが、書くことないかも知れません。

Dscf310688 FTの方は、すべて分解して洗浄を終えました。ちょうど、その時にオークションで入手をしておいたETAのジャンクが届きましたので、そちらにシフトします。このキャリバーは#2782ですが、あいにく全く同じユニットは出品されておらず、基礎キャリバーが同じと思われる#2789を入手しました。時計は、組み込まれる機種に合わせて、少しずつ仕様を変えて供給されています。調べてみると、どちらも21600振動(6振動)ですから大丈夫でしょうとの思惑です。画像は、すでに組み込んだ状態。比較してみると、オリジナルのホゾは折れではなく磨耗のようでした。この個体だけかも知れませんが、輪列を受けるブリッジのセットが非常に難しくて、中々、受け石に入ってくれませんでした。無理をするとホゾを折ってしまうので慎重に作業をしなくてはなりません。ETAの機械は初めてでしたので慣れていないせいもあるのでしょう。セイコーの機械は、比較的簡単にセットすることが出来ます。

Dscf310755 文字盤を付けてから、3針を取り付けました。この機械は日付が瞬時に切り替わるタイプなので、ちょうど、12時で切り替わるように調整してあります。セイコーなどは、12時前から少しずつ変わっていく方式なので、比較的ラフな調整でも気になりませんね。ケースにセットしてから、自動巻きの錘を取り付けます。右がジャンクで、錘を止めるビスはこちらがオリジナルですが、緩みやすい傾向にあるので、私は、セイコーマチックのものを流用しています。

Dscf310854 文字盤のインデックスと針には、軽い腐食が始まっていましたので研磨をしました。風防も本来は交換した方が良いのですが、今回は研磨で再使用です。12時下の碇は本来は時計の傾斜で軽く回転するのですが、動きが渋めの個体が多いようです。この個体もそうですが、ヘタに注油をすると文字盤に流れる可能性もあるのでこのままとします。やっと、愛用の時計が戻りました。

Dscf310834 予想した通り、何も書くことありませんねぇ・・。未分解機でしたが、巻上げのフィーリングは24万代ですから、オーバーホールで非常に滑らかに仕上がっていると思います。光学系のプリズムなども良い状態ですね。これから本体と前板関係を組み合わせます。磨耗も殆ど無しで、通販で購入としては大当たりの個体でしょう。私はネタが無くて困りますけど・・・