明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2224)大飯4号機「配管水漏れはエロ―ジョンのせい」と言うけれど・・・。学習を深め原発再稼働に反対しよう!(16日緊急ZOOM学習会に参加を)

2022年07月06日 16時30分00秒 | 明日に向けて(2201~2400)

守田です(20220706 16:30)

大飯4号機が15日再稼働、美浜3号機が8月上旬再稼働・・・

関電の原発が連続で再稼働されようとしています。
一つは7月4日の定期点検明けの再稼働を前に、配管からの水漏れを起こした大飯4号機、15日に動かされようとしています。
もう一つは超老朽原発で、やはり定期点検で止まっていた美浜3号機。10月の予定を前倒しして8月上旬に動かされようとしています。

これに対し7月24日(日)に美浜現地集会が呼び掛けられたので、これを盛り上げるために緊急ZOOM学習会を企画しました。7月16日(土)午後7時から9時。ZOOM開催です。




【注記】学習会はすでに終わりました。以下かが録画をご覧下さい。

ぜひみんなで問題をしっかりつかんで、美浜現地集会への全国からの参加、注目を作りだしていきましょう。二つの企画のチラシを示しておきます。
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/fb43c674d5f83b88c731e36326217c8f
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/cbf2a3eebf8bd03b9e9f44069fc629c7



大飯原発4号機「配管水漏れ」は「エロ―ジョン」のせい?

大飯4号機のその後についてを報告します。
6月27日、関西電力は7月4日再稼働予定だった大飯4号機で、配管水漏れが発見されたため交換が必要となり、再稼働を三週間程度延ばすと発表しました。
ところがその後、7月1日に「配管損傷はエロ―ジョンによるものと推定された、配管を取り替えて15日に運転再開を目指す」と発表。関電は以下のように述べました。


大飯4号機の15日の運転再開の関電方針を報じる共同通信 20220701

「その後、当該配管を切りだし、配管の内面を調査した結果、局所的に凹凸が認められたことから、エロ―ジョンにより浸食され、配管に微小な穴があき、水漏れが発生したものと推定した」(関電pressリリースより)
エロ―ジョンとは「高速となった液滴が、配管の内面などに衝突したときに、局所的に大きな衝撃力を発生させ、衝突部位が侵食される現象」と説明されています。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2022/pdf/20220701_1j.pdf


さまざまな疑問が残る・・・

前回、明日に向けて(2223)で、水漏れが「水質調整」を行った時に発見されたことを記しました。冷却系統の中にスケール(金属酸化物)が付着しやすく、配管損傷などの原因となるので薬液で取り除く作業中でした。
ここから僕は、高浜3号機の蒸気発生器細管で度々起こっている「スケール」が原因と推定されている配管損傷と、似たようなことが起きている可能性があると示唆しました。

しかし今回は「エロージョンが原因と推定した」となっているのですが、「推定」という言い方にひっかかります。断定に至れない何か=分からない何かが残っている。
しかも今回、穴が空いた「電動主給水ポンプミニマムフロー配管」は、原子炉起動の時にのみ使われる17ミリの配管。恒常的には動いていません。それが一回の起動だけで穴が開いてしまうとは考えにくい。となると損傷が重なっていたのでは?


配管損傷はスケールのためと「推定」


実は配管を損傷させた「スケール」も完全には特定されていない

しかもそれを「推定」でとどめていいのでしょうか?スケールによる損傷の可能性もあるのでは?関西電力は、そうした可能性を排除できないままに、「推定」ととりあえずの配管交換でごまかして起動を急いでいます。
そもそも高浜3号機の蒸気発生器細管の中でおきている損傷も、スケール(金属酸化物)によるものと推定しながら、配管を傷つけた痕跡の残るスケールが完全には特定できていないのです。常に「推定」がつきまとう。要するに実態をきちんと把握しきれていない。

もちろんスケールによる配管損傷も、エロージョンによる配管損傷もありえることなのでしょう。しかし肝心なのは今回のように、穴があくまで当該箇所が発見できないことにあります。事前に減肉を発見することができない。
かつまた最も問題なのは、損傷を与えてしまう原因を確実に特定し、排除することができていないこと。配管損傷を食い止める策を講ぜずにいるのです。それならば今後も配管損傷は続くし、見逃されて穴が開き、深刻な事故になる可能性大です。

このように、それぞれの原発が、原因を特定しきれない故障を繰り返しています。原発は未完のプラントなのです。
それでいて過酷事故を起こし、人々の命を危機に晒す大きな危険性を持っています。だからもう動かしてはいけないのです。しっかり学んで反対の声を高めましょう!


みんなで声をあげて危険な原発再稼働を止めよう! 5月29日の大阪デモより 守田撮影

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