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今日の筆洗

2016年09月13日 | Weblog

 貧しき者に温かい小石川養生所の医師、新出去定(にいできょじょう)を描いた黒澤明監督の「赤ひげ」(一九六五年)。赤ひげとは、その医師のひげの色だが、映画で見れば赤ではなく、黒にしか見えない。モノクロ作品なので当然である▼それでも撮影時、ひげの色は「赤」だった。医師役の三船敏郎さんが自分で髪の毛とひげを赤っぽく脱色していた。ノンフィクション作家、松田美智子さんの評伝によると薬が強く、脱色のたびに頭皮が痛み、歯が浮いてしまう症状も出たが、三船さんは一年半も苦痛をこらえてそれを続けた。誰も気がつくことのない「赤」のためである▼見えぬところでも手を抜かぬ役者の誠意とは正反対に、「建物の下で誰も気がつくまい」とでも思ったか。築地市場の移転先となる豊洲市場で土壌汚染対策のための盛り土が一部で行われていないことが分かった。市場移転そのものを揺さぶる大失態である▼都は盛り土をしたような説明を続け、その事実を知っていながら黙っていた。山と盛られていたのは土ではなく都民への「ウソ」だったのか▼「説明不足だった」という釈明も不愉快である。不足とは「十分ではないこと」。今回、説明は一切なかったのである▼都は盛り土がなくても安全は確保と説明をしているが、もはや信じにくい。都庁の床下もよく調べてみた方がいい。信用という「土台」が失われている。