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今日の筆洗

2016年09月05日 | Weblog

 <どうしても書けない かんにんしてくれ給(たま)へ どうしても書けないんだ>。小説家、吉川英治が編集者にあてた原稿の遅れをわびる手紙である。ここまで正直に告白されると、原稿を待つ方も仕方ないとあきらめるかもしれぬ。締め切りをめぐる随筆、手紙を集めた『〆切(しめきり)本』(左右社)にあった▼締め切りに遅れる作家の弁解や反省の弁の数々。<胃の工合(ぐあい)が少し悪くて時々痛み、少し頭を使ふと痛くなるので思うやうに進行せず…>は随筆家の寺田寅彦。おかしいのは「遅筆堂」の異名のあった井上ひさしさん。<殺してください>である▼逆に締め切りを必ず守る作家もいる。北杜夫さんは若い時、締め切りぎりぎりとなって苦しんだ経験から、二度とあんな目にあいたくないと決意していたそうだ▼この会社は「二度と」とは思わなかったか。三菱自動車。軽自動車の燃費不正問題で信頼を損ない、七転八倒したはずだが、その後の再測定でも不正を行っていたことが分かった▼締め切りを何度も破り、遊蕩(ゆうとう)の限りを尽くす作家がかわいく見えるほどの性懲りのなさ。大勢の社員やファンを思えば、腹が立つより前になぜだのため息がでる▼同社のかつての高級車デボネア。懐かしい小林旭さんの「自動車ショー歌」では<おまけに心臓がデボネアで>だったが、心臓に毛が生えた厚かましき不正。今度こそ決別できるか