各地の食べ物や歴史を探るテレビ番組が、シニアの人気を集めています。新しい発見に、心が揺さぶられるとき、来て良かったという気持ちになります。私事ですが、石仏や100名城巡り、そして西国三十三観音巡りをしていた時期があります。最初は、観音巡りで壺阪寺を訪れました。涅槃の姿が印象に残っています。次に訪れた時は、奥の院にあたる五百羅漢を見るためでした。最初から、一緒に見ていればという後悔が起こりました。3回目は、近くにある高取城を見に行ったときです。全て、壺坂阪寺を基地にして、移動をしたのです。若いときであれば、3つを一気に歩いて見られたと思います。シニアになり、好奇心と知識は増えました。でも、体の衰えは隠せないようです。
そこで、シニアが憂いのない好奇心の探求方法を考えてみました。今のシニアには、知的好奇心も金銭的余裕も備えています。豪華寝台車は、シニアのリピーターの独占状態です。ななつ星などは、値上げをしても値上げをしても、20倍以上の予約で埋まっています。豪華寝台車は、JR九州だけでなく、JR東日本やJR西日本でも人気シリーズです。これを支えるのは、シニアです。今までに経験をしてこなかったことに、貪欲にいどもうとしているわけです。豪華寝台列車は、この要望に応えるように多くのアイデアを提供しながら、運営されています。地域の隠れた資源を見いだし、レアな体験を提供しているともいえます。そのレアなサービスが、お金にでは換えがたい満足を与えているわけです。最も、満足は高価なサービスの中だけではなく、シンプルの中にも存在します。
以前、若狭湾の三方五湖を中心にドライブをしたことがあります。ここには、縄文遺跡では有名な鳥浜貝塚がありました。現在は縄文ロマンパークに衣替えをしています。縄文遺跡としては、一級の史跡です。2~3度お伺いしましたが、訪れるごとに知見が深まり、好奇心が拡散していった遺跡でした。三内丸山遺跡や北海道の巨大な遺跡が明らかになる前に、この周辺の遺跡には、その原型がありました。話は大きくそれました。小浜の海岸に沿って多くの民宿があります。これらの民宿は、三方五湖の外海に広がる若狭湾で養殖されたトラフグを冬場に提供しています。もちろん、名物の越前ガニも喜んで食してもらっています。関西方面の食通は、顧客としてリピーターになっています。1997年以前は、ロシアさんのカニを出していたようです。でも、越前町漁協は、地元産だけをブランドとすることにしました。そして、地元にたいし優先して魚介類を卸しているのです。
無理をして、市場に出してよその産地と競争しても、利益がでないことが分かったのです。フグにしても越前ガニしても、大きく育て、美味しいものを地元で提供した方が喜んでもらえ、利益が出ることに気がついたのです。フグやカニを遠方に送ることは、輸送による品質の低下をもたらします。美味しいモノを食べたい好奇心の強い人に来てもらった方が、鮮度の良い、美味しいモノを安く提供できるわけです。ただし、その味覚を求める労力をおしまない、時間に余裕があり、好奇心が強く、こだわりを持つシニアの存在が必要です。余暇時間を有効に使おうとするシニアが益々増えるので、好奇心の未来は安泰です。