ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

1000兆円の借金・過大な要求・地域に眠る資源の発掘  アイデア三題噺 258

2019-08-17 21:59:25 | 日記

 日本の国は、地域の住民ニーズにおうじて行政がサービスを提供してきました。住民のニーズが増えたにもかかわらず、税金の収入は増えませんでした。それでも政府は、住民の求める良質なサービスを提供し続けてきたわけです。結果として、1000兆円の赤字を抱える国になってしまいました。政府は、都市も地方も平等になるように施策を進めてきました。そのひとつが、道路や鉄道の建設でした。全国で道路建設などの公共事業を行いました。結果として、全国の道路網は整備され、物資の輸送はスムーズに配送されるようになったわけです。宅配などのサービスも、容易に受けられる環境整備ができたのです。道路を建設すれば、地方にお金が落ちます。このお金が、地方経済を潤していたのです。この道路資金は、都市部で集めた税金が使われていました。都市で稼ぎ、その稼ぎを地方で使うという流れができていのです。その代償として、地方は都市に人材を供給する仕組みができていました。でも、最近この仕組みに不具合が出てきています。都市と地方の格差が大きくなり、その溝が埋めがたくなってきたのです。
 そこで、これまでのように地方と都市を円滑にしていた仕組みについて考えてみました。できれば、格差を少なくする方法などがあれば探したいと思いました。高度成長の時代は、道路や鉄道の建設資金が成長と税収を生み、所得減税や公共事業のための財源を用意してきました。所得減税と公共事業で、豊かな地域とそうでない地域のあいだでの利益分配が実現されていました。都市と農村のバランスのとれた利益分配が、実現されていたともいえます。
 企業誘致をすれば、従業員として地元の人が雇用され、その給与は地域に入り、潤わせていました。従業員が地元の商店で買い物をすれば、お金は地域をまわり始めます。人と企業が増えれば、地域全体の購買力も大きくなります。観光客を呼び込んで、土産物を買ってもらうことは良いことです。地域の企業が外部から受注を受けることは、「波及効果」を発生させます。各地の地域がそれぞれ地元の経済をきちんと回していくことは、その地域を豊かにしていったのです。でも、産業の空洞化が起こります。安い労働力を求めて、地方の企業が海外に進出します。地元に、お金が落ちなくなったのです。でも、行政サービスや水道のサービスは、往年のように行っています。当然無理が、生じてきます。外部にお金が流れるようになり、地域の豊かさは急速に低下していきます。
 地方が衰退する中で、合理的対策を行っている自治体があります。長野県の松本市が、挑戦をしています。セイコーエプソン社から、脈拍や活動量を測定するウェアラブル端末を借りうけたのです。信州大学医学部と連携しながら、60歳以上の男女160人の生活習慣と健康状態を調査しました。健康診断の横断的な調査は、日本中で行われています。でも、個々人を24時間追跡しながら脈拍や呼吸を計る縦断的調査は、なかなかできなかったのです。ある意味で、この調査結果は貴重なデータになります。市民は、健康を願っています。健康の実態を個々人に毎に把握することは、なかなか難しいのです。その困難に、企業と医学部と松本市が立ち向かっているわけです。
 消費者の関心は、食品で言えば、味・外観・鮮度だけでなくなっています。その関心は健康の安全や栄養になりつつあります。さらに、倫理要件である食品ロスやプラスチックゴミなど環境問題や途上国の人権などに移りつつあります。健康要件や倫理的要件に貢献する組織は、評価が高くなるわけです。市民の健康というニーズをみたすために、企業の利益と矛盾しない形で自治体と企業とが協働をする姿は今後のモデルになります。生活習慣と健康状態を調査の情報は、それ自体がが経済的価値をもつ時代になっています。この情報が企業の商品開発に繋がれば、企業にとっても地域に取ってもプラスになります。モノだけの生産だけが、地域を豊かにするわけではありません。健康や環境に関する情報も、価値を持つ時代になっています。そんな価値ある情報を、地域にある人的資源を使いながら掘りおこし、形ある物して発信していきたいものです。