TOBA-BLOG

TOBA2人のイラストと物語な毎日
現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」66

2015年10月06日 | 物語「夢幻章伝」

ぼーん、ぼーん、ぼーん。

跳ねる巨大同僚。
ホップステップジャンプなノリで跳ねているものの
なにせ巨大なので振動が凄い。

「どうすりゃいいのよ、これ」

くっとマツバ。

「動きを止める、か」
「姉さん」
「かといって動きを止めた所でどうすれば」
「姉さん」
「ああん?ん?
 ―――姉さんって、あんた」

「お久しぶり」

そこにいたのは、
豆乳ドリンク片手に、
もう片手には綿飴やりんご飴、
はたまた北一族の小物の土産を持った。

「「「アマキ!!」」」
「アマちゃん!!!」

再登場が他のキャラより遅れましたが
東一族のアマキがそこに。

「随分と祭りを満喫しまくっているわね」
「これは妹へのお土産で」

「妹想いのお兄ちゃんか!!」

遠くでモモヤが感動する。
同じ兄として何か思う所があるとか無いとか。

「おいおい、お前」

ぼーん、ぼーん、ぼーん、と
巨大同僚の振動に耐えながら
アヅチがアマキに歩み寄る。

「あ、南の兄さんもお久しぶり。
 砂では酷い目に会わなかった?」

「――――お前らの魔術にはもう近寄らないぞ」

「悪かったって、
 でも今回はそれでどうにかならないかな」

「どうにかって!!そうか!!」
「ははぁ、なるほどね」

マツバも納得。

「そういう事、
 タツキ手伝ってよ」
「アマキー何処居たんだよ、探したぜ」

同じく東一族のタツキも駆け寄る。

「うん、ちょっと砂が居たから逃げてた。
 今は動けないみたいだし」

「ちょっとちょっとちょっと、
 あれアマキじゃない」
「なにそれ、ずっと様子を見ていたってこと」

フワとシマが悔しそうに言う。
今二人は、トウノ取り押さえ中で手が離せない。

「さて、みんな
 今から東一族式魔術を使うけど」

ぼーん、ぼーん、ぼーん。
どんがらがっしゃーん!!

「それにはあの巨大生き物の動きを止めないと。
 姉さん、兄さん、お願いできるかな?」

「……止める」

うーん、とアヅチがマツバを見る。

「止めるって言っても、ねぇ」

………。
………。

二人の間に妙な沈黙が落ちる。
あれ、を使うしかない。
でも、あれはなぁ、

ううーん。
ええーっと。
嫌だなぁ。

「っつっても仕方ないしな」
「そうね、やるしかないか」

はい、しゃきしゃきするか、と
アヅチ&マツバは決意を決める。

「いいか、お前達
 サポートしつつ耳ふさいどけよ!!」

「え?何なに?」
「まさか、出るのか」
「南一族の、魔法」

栗を構えながら
海一族メンバーズが視線を送る。

「あいつら、アレを使う気か」

どんなダメージを負う気なんだ、と
モモヤが二人を止めに走る。

「空に雷雲、地に避雷針……」

だがアヅチの詠唱が始まる。

「月は夜空の蝶のごとし……」

続く様にマツバ。

「二人同時詠唱だと!!!!」

なんだってーと
タクトが驚きの声を上げる。

「ああっ!!
 アヅチさん危ない!!」

クリミアが声を上げるが
普通サイズの同僚達、マジックボールが
詠唱中のアヅチ達に迫る。

「俺に任せろ!!」

その時、アヅチ達の前に盾になって立ったのは
なんとトウノ!!

「今こそ俺は、敵から味方になった
 人気のあるキャラ。
 うおおおおおおおおおお!!!」

「ちょっと待ちなさいよ」
「あんた紐でグルグル巻きにされているのに
 どうやって防ぐ気よ!!」

仕方なしに、砂一族のフワとシマが
マジックボールを防ぐ。
(トウノ立っているだけ)

助かった、と目で合図を送りながら
アヅチとマツバは
更に詠唱を続ける。

効力を発揮するため
ゆっくり大声で、ポーズもセットで決めなきゃいけません。

「水の母よ、大地を飲み込め」
「大気を司る神よ、邪悪な者を吹き飛ばせっ」
「古今東西、幻影夢想。そこは、架空の世界……」

アヅチは片手を地面に付けつつ
もう片手は空に向けて
なおかつバンダナは風になびいている。

マツバは片手を額にあてつつ
憂いの表情を浮かべながら
メイクアーップなきらきらが辺りに現れる。

「「守★破★離!!!!」」

どーーーーん、時が、止まる。

これは、と
へび呼ロイドがおののく。

「まるで、かつての
 湖の戦いの再現じゃないか!!」

(八一族は全員揃って居ないけど!!)


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