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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」69

2015年10月16日 | 物語「夢幻章伝」

北一族の村では、
何事もなかったかのように、祭りが再開されている。

「肉焼きー! 肉焼き食べてねー!!」
「豆乳プリンあるよ~」
「ゆでたジャガイモー!!」
「甘栗はこっちだよー」

祭りが中断していた分の稼ぎのために、売る側も必死だ!

ぐぎゅるるるるるるるる

アヅチとマツバのお腹が、盛大に鳴る。

「肉焼きをっ」
「食べたいっ!!」

だが

アヅチは、クリミアに
マツバは、タクトに

ぐいぐい引っ張られている。

「肉」
「焼きー!!」

「「うんまー!!」」

肉焼き屋台の横で、フワとシマが焼き立ての肉をほお張っている。

「さすが、山一族の肉ね~」
「こんなにおいしい肉、砂じゃ食べられないわー」

東一族から奪おうにも、東一族は肉を食べない。

「ちょっとちょっと!」

肉焼きの少年と少女が、びしりと云う。

「「これ、西一族の肉だから!!」」

「くっ、あいつら!」

焼き立ての肉を見て、よだれが出る。

「肉を分けなさいよー!!」

しかし、タクトとクリミアの勢いは止まらない。
このままでは、踊りの輪に入れられてしまう。

「せめて!!」
「何か一口!」

「お客さん!」

次の屋台は

「山一族の甘栗どう!!?」

今回、やたら登場する甘栗。
山一族の屋台だったのか。

「このさい、何でもいいから、食わせろー!」
「ダメです、アヅチさん!」
クリミア、すごい力。
「しっかり踊って、ベストカップル賞ですよvV」
「おぉおおおおお」

「アヅチ~!」

甘栗屋台の横に、モモヤとヘイマスター。

「がんばって踊って来いよ!(ラブ旋風が足りないからな!)」
「兄貴! なんだ、その()は!!」
「うむ。頑張りたまえ」
ヘイマスターも頷く。
「ナギサとシオリも輪の中にいるぞ」

音楽にあえば、踊りは何でもよいのか。
ナギサとシオリは、ハイヤを踊っている。

「負けてられないぞ、マツバ!」
「私だって、負けません! ね、アヅチさんvV」

北一族の軽快な音楽が響く。
踊りの輪では、いろんな一族が踊っている。

「アヅチはどこかなー??」

モモヤは、ホット豆乳で温まりながら、弟を探す。

「やっぱり、旅に出たからには、ドキドキも必要であって・・・」

ふふふと微笑みながら、モモヤは弟を想う。
たくさん心配もしたけれど、
アヅチとマツバには、そう云う意味でも成長してほしい。とな。

そして

その横で

「ちょっと、この海鮮焼き最高じゃない!?」
「お前、ここは肉だろうが!!」

「・・・・・・」

「揚げ立てのフライドポテトもおいしいわね!」
「この、肉まんじゅうも、うまいけどな!!」

・・・あれ?

「へび呼ロイド、次はこっちの屋台よ!」
「ひーぃいいい!!」
「こっちも、頼むぜ!」
「ひぃいいいいいいいいい!!」

「って、お前らぁあああ!!」

「あ、兄さん姉さん、ここの野菜包みうまいよ!」

「ちょっと、東の少年は黙っててくれるかなー!!」

モモヤは、ふたりを、がしっと掴む。

「どうした!」
「「ん?」」
「どうした、ラブは!!」
「ラブ・・・?」

えーっ
と、
アヅチとマツバは白い目で、モモヤを見る。

「それより、今は、腹ごしらえだろ!」
「そんなんだから、ロリコン(弟)とか云われるのよ」

「お前らぁあああああ!!」

ふたりを心配するが故の、愛情です(byモモヤ)

ちなみに、

なんか、よくわからないが、会場ではタクトとクリミアが踊っている。

なんだろう。
この数分の間に、いったい何があったのか。



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