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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」71

2021年09月14日 | 物語「続・夢幻章伝」

「なんか、展開が濃ゆいのよ!!」

とりあえず去り行く
トウノの後ろ姿を見てマツバは思う。

「そうだな、
 唐揚げは美味しいけど
 毎日はちょっと胃がもたれる的な」

同意。とばかりにアヅチも頷く。

「つまり、キコキコ?」

「何も起こらない回?ってのも
 あって良いんじゃない!!」

「ああ。たまにはお粥とか食べたい的な」

「普通にスタンプを貰いその後は、名所を観光し、ホテルのお部屋でゴロゴロして過ごし、美味しいものを食べ、露天風呂とか入って、自然の雄大さを感じて、足ツボマッサージとかしながらゆっくりと何もしない時間を過ごして、旅館のバーで美味しいお酒とおつまみで一杯ひっかけたりして、フカフカの布団で寝た後に、朝は遅めに起きて、個室で食べる朝ごはんを終えて、お土産沢山買って、谷一族の女将とかにお見送りさられながら、さぁ、次の村へとかそう言う事!!」

長っ!!!

「シンプルな塩おにぎりこそ
 素材の味が分かる的な」

例えが分かるようで分からないアヅチは
少し黙っておこうか。

「もーうマツバはまた、
 そんな仕事に疲れたオフィスレディ的な事を言ってからにキコキコ!!」

あと、アヅチも
30代後半の胃のもたれ具合みたいな事を。

「だいたいそう言う事言うと、
 真逆の事が起きる前フリみたいになるから
 気をつけるキコキコ」

「まぁ、言うたって
 俺たち泊まるのトウノん家のお宿じゃない?」
「………」

そうだった、
と温泉旅館の夢が砕け散るマツバ。
まぁ、温泉なら東一族の村で探そう。

「はぁ〜、泊まるの2回目だから
 リピーター割引とか無いのかしら」
「そうだな、2回………目、うん?」
「なによ2回目がどうしたって………はっ!?」

あああ!!!と
顔を見合わせるアヅチとマツバ。

前回(夢幻章伝44〜50話あたり)で
お宿代ばっくれていたのだった。

「ままままずいわ!!」
「今から払いにいくしか無いだろ。
 えええ、遅延料どんだけかかるんだ」

2人は知らない。
なんやかんやで、お宿代チャラになっている事を。

「払いにいくのは勿論だ!!」
「ええ、当然の義務よ!!」
「しかし、その後また同じ所に泊まるって気まずい!!」
「この人達、
 今回はきちんと払うんでしょうね?
 という目線」
「つらい!!」
「でも、谷一族のお宿って
 トウノの家だけらしいし」

「いや、2人とも
 なんやかんや言ってるけど
 払うのってオイラだよね?キコキコ」

マツバはかぶりを振る。

「仕方ないわ、こうなったら」

「「なったら?」」

「探すわよ!!民泊!!!!!」

民泊、それは旅館やホテル等ではない
一般の民家に泊まる事。

「出来れば、古民家をリノベーションしたシンプルだけどオシャレで、卵みたいな形のハンモックチェアがあり、色合い的には全体的に生成りで、ウエルカムドリンクが果物入りのフレーバーウォーターで、ご飯とか木製プレートに燻製のハムとかオーガニック野菜で」

「それは民泊なのか?」
「マツバ、ちょっと落ち着くキコキコ」

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