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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」73

2021年09月21日 | 物語「続・夢幻章伝」
 
ようこそ民泊へ!!
 
「あったわ!!」
「あるもんだな!!」
「とりあえず入ってみるキコキコ?」
 
いざ行かん!!
 
「みんな、見て!!」
 
玄関にはラベンダーやユーカリーの葉で作られた
グリーンリースが飾られている。
 
「これはポイント高いわよ!!」
「ホントだ!!キコキコ!!」
「得てしてこういう所には八割方飾られているユーカリの葉」
「あと、アイビーとか、な」
「間違い無いわ!!」
 
ドアを開けると、小さなカウンター。
そこにはウエルカムドリンクが。
しかも各種のベリーが入ったフレーバーウォーター。
 
「!!!!」
「これは夕食とかアカシアの木製プレートで出る民泊だぞ」
「ここまで来て、夕飯に漬け物は出ないでしょう」
「分からないキコキコ。
 こんな雰囲気のお宿って天然酵母とか発酵が好きな人が多いから、
 自家製味噌に漬け物、梅干し。~~大自然を感じて~~」
 
こういうお宿を探していたわ、と、期待値が高まるマツバ。
こういうお宿ってご飯の量全体的に少ないんだよなぁ、と
コンビニを探したいアヅチ。
こういうお宿って民泊にしては高いんだよねぇキコキコ、と
お値段を気にするへび呼ロイド。
 
「どんな人が経営しているんだろ」
「あれかな、
 慌ただしい生活に疲れて
 田舎暮らしを始めた都会(北一族あたり)の人かな」
「むしろ都会(北一族あたり)から帰ってきた
 地元出身の若者が実家をリノベーションして」
 
民泊って、ある意味ちょっとしたホームステイ。
お家の人がどんな人か、それも大事である。
 
「やあやあ、お客さんかな」
 
奥からすうっと人が現れる。
 
長い黒髪。
そして、額にある入れ墨と一族独自の衣装。
すらっとした谷一族の若い女性。

「イメージ通り!!」
「こう言うお宿を経営してそう」
「ヨガとかもしますか??」
「オーガニック!!」
「食事に肉は出ますか??」
 
「おや、これは、南一族の方?」

ようこそ、とアヅチ達を笑顔で出迎える。

「ちなみに、今日の夕飯は生姜焼き!!
 お肉もご飯もおかわり自由だよ!!」

親指ぐっ!!!

答える様にアヅチとマツバも親指ぐっ!!
 
 「イメージ通りと言うけれど
 この民泊を経営しているのは私のパパ」

「パパ!!」
「父!!」
「おとん!!」

「このウェルカムウォーターも、
 玄関のリースも、内装も、ちょっとした小物も、全て私のパパが準備したもの!!」
 
そうさ、全てワタシのトータルコーディネート!!!

3人の脳裏にまだ見ぬ店主の声が響く。

「ちなみに、そのパパ上はいずこに?キコキコ」

ああ、と谷一族のお姉さんは言う。

「パパは朝から何か電波を受信してだね」

顧客が求めるものがこの民泊には足りない。
そう、それは
卵みたいな形をしたハンモックチェア。
ワタシはそれを入手しなくては!!!!

「と言って飛び出して行ってしまった」

「「「卵みたいな形のハンモックチェア!!!」」」

「マツバ!!!お前が変なこだわりを言うから!!!」
「店主さんが受信しちゃったキコキコ!!」
「そんなの知らんわよ!!!」

願いは、きっと、叶う。

「でも、まだ帰ってこないんだよね。
 最近変な生き物が出没するから
 ちょっと心配でさぁ」

「「マツバぁああ!!」キコキコ!!」
「知らんわよ知らんわよ!!!!」


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