「久しぶりの再会、いや」
翼は首を振る。
「はじめてのやつが多いんだから、再会の喜びとは違うな」
皆、ただ、翼を見る。
この、従わなければならないと云う、恐怖にも似た感覚。
「まあ、とにかく、喜びとか、もういいだろう」
翼はチドリを見る。
「次は何だ?」
「先に進んでもいいのなら」
チドリは杖を持ち直す。
何が、はじまる?
恐怖。
問うことさえ、出来ない。
「何がはじまる、と云うところか」
チドリが話し出す。
「何がはじまり、何のために命を差し出せと云われているのか」
皆、息をのむ。
「そうよ・・・」
京子はチドリを見る。
「何か、・・・何かがあるのよね、私たちに」
はぁ、と、チドリは耀を見る。
耀は頷く。
「俺たちは裏一族だ」
表ではない世界で、生きる者。
人々の秩序、法の中では生きていない者。
「ほしいものを得るために」
「より強くあるために」
「どうすればいいと思う?」
「どう、」
「すれば・・・?」
「そんなの簡単だ」
満樹が云う。
「学び、魔法や体術の鍛練をすればいい」
「そうだ」
耀は頷く。
「西一族もそうやって狩りの腕を上げる。・・・地道にな」
「なら、」
「だが、そのやり方は、簡単ではない」
ほしいものを得るために。
強くあるために。
手っ取り早く、やること。
「血だよ」
その声に、皆、後方を見る。
父親が声を発している。
「手っ取り早く、簡単に。ちょっとした闇の魔法」
「血・・・」
「つまり、命、と云うこと?・・・」
ヨシノの目が見開く。
ほかの、皆も。
人の血を使い
強い力を手に入れる。
禁じられた魔法。
「そうすることで、あり得ないことをなそうとしているのね」
マサシが呟く。
「私たちを使って」
NEXT
翼は首を振る。
「はじめてのやつが多いんだから、再会の喜びとは違うな」
皆、ただ、翼を見る。
この、従わなければならないと云う、恐怖にも似た感覚。
「まあ、とにかく、喜びとか、もういいだろう」
翼はチドリを見る。
「次は何だ?」
「先に進んでもいいのなら」
チドリは杖を持ち直す。
何が、はじまる?
恐怖。
問うことさえ、出来ない。
「何がはじまる、と云うところか」
チドリが話し出す。
「何がはじまり、何のために命を差し出せと云われているのか」
皆、息をのむ。
「そうよ・・・」
京子はチドリを見る。
「何か、・・・何かがあるのよね、私たちに」
はぁ、と、チドリは耀を見る。
耀は頷く。
「俺たちは裏一族だ」
表ではない世界で、生きる者。
人々の秩序、法の中では生きていない者。
「ほしいものを得るために」
「より強くあるために」
「どうすればいいと思う?」
「どう、」
「すれば・・・?」
「そんなの簡単だ」
満樹が云う。
「学び、魔法や体術の鍛練をすればいい」
「そうだ」
耀は頷く。
「西一族もそうやって狩りの腕を上げる。・・・地道にな」
「なら、」
「だが、そのやり方は、簡単ではない」
ほしいものを得るために。
強くあるために。
手っ取り早く、やること。
「血だよ」
その声に、皆、後方を見る。
父親が声を発している。
「手っ取り早く、簡単に。ちょっとした闇の魔法」
「血・・・」
「つまり、命、と云うこと?・・・」
ヨシノの目が見開く。
ほかの、皆も。
人の血を使い
強い力を手に入れる。
禁じられた魔法。
「そうすることで、あり得ないことをなそうとしているのね」
マサシが呟く。
「私たちを使って」
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