浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

フルトヴェングラー 「フィンガルの洞窟」ザルツブルグ・ライブ

2007年02月24日 | 指揮者
1951年8月19日ザルツブルグ音楽祭での録音では、フルトヴェングラー指揮維納フィルハーモニーによるマーラーの「さすらう若人の歌」とブルックナーの第5交響曲は既にLP時代からレコヲド化され、僕のコレクションにも聴き馴染んだレコヲドがあった。その同日のオープニングプログラムに「フィンガルの洞窟」が演奏されたが、この演奏はどういふわけか最近まで聴く機会がなかった。

フルトヴェングラーのお蔵入り録音はかなりある。その多くはレコヲド嫌いのフルトヴェングラーが発売をOKしなかった為だらうが、アクシデントが原因のものもある。例えばモーツァルトのグランパルティータでは唸り声、ドヴォルザークのスラヴ舞曲では足音などの理由で商業録音であるにも関わらず発売が中止されたのは有名だ。

残りの演目2つが発売されたにもかかわらず「フィンガルの洞窟」だけが出回ってゐなかったのには何かがあるのでは、と推測(期待)してゐた。今回、初めて入手して聴いてみたが、録音の状態も良く、トラブルも無かった。維納フィルの絃とクラリネットの美しい響きに魅せられる。フルトヴェングラーが振るとこのやうな作品でもスケールの大きな交響樂になることに驚きを感じる。

久しぶりにフルトヴェングラーの新たな録音に触れる喜びを味わうことができた。

盤は、墺太利放送協会作成CD SF-001。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。