浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

クルーセルのクラリネット四重奏曲第1番

2009年06月06日 | 忘れられた作品作曲家
クルーセルのクラリネット作品は数多く残されてゐるやうだが、このやうな作品を聴いてゐるときは心が平穏なのだらうか。それとも癒しを求めてゐるのだらうか。愛犬の大手術は無事終わったが術後の回復は思わしくない。

ベートーヴェンやウェーバーと同時代人であるクルーセルは前期浪漫派の作風だ。このやうな作品はウラッハやライスターの演奏で聴きたい気もするが自宅にはセア・キングのCDしか無い。キングは英吉利室内管絃團の主席をやってゐた人だが、時折きつい音が耳をつく。ウラッハならこうは吹かないだらうと想像しながら聴いてゐる。

第3楽章などは古典派に逆戻りしたやうな音楽になってゐて、そもそも古典派と前期浪漫派の区別など、それ自体が無意味に思へてくる。この伸びやかで天真爛漫な音楽を聴きながら、青く晴れ渡った空を眺め、入院中の愛犬の回復を祈った。

盤は、独逸HeliosのCD CDH55031。 


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