浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

クーベリックの指揮でマーラーの第5 残るは亡き児を偲ぶ歌だけ

2009年08月04日 | 指揮者
2年前のクリスマスにクーベリックによるシベリウス「トゥオネラの白鳥」を取り上げたことがあった。恐らく1981年6月11日か12日のバヴァリア放送響とのライブ演奏だと思はれる。この同じ日に演奏されたマーラーの第5と「亡き児を偲ぶ歌」の3曲に共通するテーマは「死」だ。

シベリウスを聴いてからずっと残る2つの演目のCDを探してゐたが、独逸のAuditeといふレーベルから「第5」が発売されてゐることを知り、入手して早速聴いてゐる。

クーベリックのマーラーはバランスの取れた良い演奏だと思ふが、どういった訳か人気は今ひとつだ。金管の派手さはないが、音楽の高揚、テンポ運びや構成力など、僕が理想と思ひ描くマーラーのイメージにぴたりと合う。マーラー好きには金管楽器の派手な響きを好む人が多いやうだが、そういった御仁には薦められない。

シベリウスと同様、咳払いをする客がほとんど居ない。録音も良く、アルコールにも大変よく合う。ゲルギエフの演奏を親父と聴きに行ったときの記憶が呼び覚まされた。本当によくできた曲だと思ふ。

盤は、独逸AuditeによるリマスタリングCD aud10.020。


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