浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ワルター・ストララムによる牧神の午後への前奏曲

2009年07月23日 | 指揮者
指揮者ワルター・ストララムが名手を集めて編成した管絃團がコンセール・ストララムである。当時の巴里で活躍してゐた名人級ばかりを金で集め、仏蘭西近代の録音を次々に世に送り出したのだった。数あるストララムの録音の中から牧神の午後への前奏曲を取り出して聴いてゐる。

冒頭のフルートの素晴らしい響きを聴いて、この管絃團への期待は大きく膨らむはずだ。クラリネットやホルンも実に素晴らしい。初演されてから30年余しか経ってゐない電気吹込み初期に、既にこのやうな名演奏が繰り広げられてゐたのだ。当時の巴里の文化水準の高さには脱毛する。

モイーズのディスコグラフィーにはこの演奏が載ってゐる。フルートソロはモイーズといふことのやうだ。提琴がラリュー、ハープはラスキーヌ、ホルンにはヴィエルモなど、このレコヲドで演奏してゐるといふ確証はないが、錚々たるメンバーがこの管絃團に所属したことは間違い無い。この時代の仏蘭西の管絃團としては最高水準を保ってゐたことが分かる。

盤は、米國VAIによるSP復刻CD VAIA1074。


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