田舎生活実践屋

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ヘロドトスの歴史にみる、パイレーツオブカリビアンのルーツ(2021/9/3)

2021-09-03 14:59:18 | ルーツはここに?
東京オリンピック開催で、40年以上に前に読んだヘロドトスの歴史をもう一度読んでみたい
ネットで岩波新書のヘロドトス歴史を購入。
 紀元前5世紀、ギリシャ都市国家の全盛時代の歴史家で、同時期にあった、ペルシャ帝国とギリシャの戦争を生き生きと描写。
 クライマックスは、アテネの市街や神殿をペルシャの陸軍に占領され焼き払われた後、アテネ近くのサラミスでギリシャとペルシャの海軍が激突、ギリシャが数に勝るペルシャ海軍を壊滅させる場面。
 海戦に勝利したあとの論功行賞で、当事者の各都市国家の司令官達が、投票によって決めるくだりがある。
 ギリシャは自由・民主主義を重んじる都市国家群だが、その面目躍如。
 しかし、投票は、おのおの自分が一番と、自分に投票し、結論が出なかったとのこと。
 次のような下り。

戦利品の分配を終えた後、ギリシャ軍はこの戦争を通じギリシャ軍中最大の殊勲者に武勲賞を授与するために地峡に向かった。地峡について指揮官たちがポセイドンの祭壇において投票を行ない、全員の内から第一位と第二位のものを選んだのであるが、このとき誰もわれこそ第一の殊勲者であったとして、自分自身に(第一位の)票を入れた。しかし第二位にはテミストクレスを選ぶことに多数の意見が一致したのである。こうして(第一位の票は)いずれも一票しか得票がなかったが、第二位の票数ではテミストクレスが断然と他を離したのであった。
このギリシャ人達は嫉妬心から右の判定を下すことを望まず、未決定のままそれぞれ自国へ帰ったが、それにもかかわらずテミストクレスがギリシャ人中格段に有能な人物であるとの名声は、ギリシャ全土に鳴り響いたのである。(ヘロドトス歴史 岩波文庫下巻p255)

 (戦利品→アテネ・スパルタ等のギリシャ都市国家連合軍の海軍が数に勝るペルシャ海軍を打ち破ったサラミスの海戦の戦利品。
 テミストクレス→アテネ海軍の司令官。サラミス海戦のギリシャ勝利の立役者。)


 人気映画のパイレーツオブカリビアンで、第三作だったと思うが、東インド会社の大艦隊と海賊の連合軍が最後の決戦をする場面。
 笑えたのが、海賊連合の艦隊の司令官を誰にするかを投票で決めるのだが、全員自分に投票し、収拾がつかなくなりそうな場面。
 映画では、主人公の海賊が、新米の女海賊に投票、2票集めて、なんとか前に進み、最後は海賊軍の大勝利。
 映画の脚本家、多分、このヘロドトスの歴史のサラミス海戦の論功行賞の投票にヒントを得たのだろう。

 なんとか開催した東京オリンピックのお蔭で、忘れていた歴史の古典を読み返せて、よかったよかったでした。
コメント
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