温故知新~温新知故?

音楽ネタが多いだろうけど、ネタのキーワードは、古きを訪ねて新しきを知ると同時に新しきを訪ねて古きを知るも!!

自動運転車のまともな試乗記があった〜技術商会でなく使い勝手の感想が書かれている〜

2017-12-29 17:54:59 | 乗り物
自動運転のクルマの紹介があるけど、以下に示すようになかなか実際に使ってみたときのユーザーインターフェースの評価のコメントがない。
ホンダのテスト車に乗って、自動運転の時代はもう少し先になりそうな予感がした(carview!) - 試乗レポート - carview! - 自動車
画像から道らしい形態やパースを読み取るのはなかなか人間的な感覚(?)が必要ではと察するわけですが、最近はニューラルネットワークによるディープラーニングによって、AIの学習・判断力が急速に高まりつつあり、グーグルの「アルファ碁」が世界最強棋士を破ったように、いつかは視覚情報だけで人間以上にクルマを運転できるだろうとエンジニア氏は言います。

自動運転機能を装備するハイパワーなEV「テスラ・モデルS P85D」の走りを報告。 - webCG
3つ目の、文字通り自動で駐車してくれるオートパーク機能は非常に便利。ほかの多くのクルマにも、自動で縦列駐車や直角の車庫入れをしてくれる機能が付いているが、モデルSのそれが異なるのは、前後の切り替えも自動的にやってくれること。ほかの多くのクルマは切り返しの際に「シフトレバーをバック(またはドライブ)に入れてください」と表示が出る。モデルSは前後の動きも自動でやってくれるため、ひとたび作動させれば駐車完了まで何もする必要がない。けっこう障害物の近くまで迫り、そこそこのスピードで動くので、慣れるまでは周囲のクルマにぶつかりはしないかと怖いが、何度やってもうまくいった。

読んでいただければわかるけど、単なる技術の紹介の域を出ない。実際使ってみて、期待とどう違うのか、違和感はないかのインターフェースの評価の記述がない。
インターフェースに関しては、以下の古典的名著があるけど、これくらいの本は読んだ上でレポートしてほしいものだ。いや、読んでいてもそのような問題意識がないのかもしれない。
ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針 | ジェフ ラスキン, Jef Raskin, 村上 雅章 |本 | 通販 | Amazon
昨今のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムの巨大化は、私たちコンピュータユーザーに、いったい何をもたらしてくれたのだろうか。やりたいことは単純なのにその方法が見つからず、ヘルプを開いたり人に聞いたり四苦八苦する、こんな経験は誰にでもあるだろう。メーカーが喧伝する「人にやさしい」といううたい文句からは、ほど遠いのが現状のようだ。
   本書のタイトル『ヒューメイン・インタフェース』とは、人にやさしいユーザーインタフェースのこと。ジェフ・ラスキンは、Macintoshプロジェクトのプロジェクト・リーダを努め、Macintoshのインタフェースのコンセプトを方向づけた伝説的な人物。1ボタンマウスの生みの親でもある。この著者が、真に「人にやさしい」インタフェースの在り方を語ったのが本書である。
  本書はちまたにあふれるユーザーインタフェースデザインガイドではない。認知工学の手法を用いて、人間が機械や道具を操作する際の意識の働きや、操作の習熟が行動に与える影響など、マン・マシン・インタフェースの本質的な問題を、科学的なアプローチで解説しており、目からうろこが落ちる思いである。また、現在最も成功しているグラフィカルユーザーインタフェースが宿命的に持つ問題点を暴き出している。私たちは悪くなかったのだ。

私のブログでも以前に感想を書いた。
ヒューメインインターフェース - 温故知新~温新知故?
ヒューメインインターフェース - 温故知新~温新知故?
この夏休みに読んだ形だ。
やはりなかなか興味深い本だった。
インターフェースを考えるとき読んでおいた方がいい本だろう。


さて、そんな不満をいだいていたのだが以下の記事は少しましだ。このレポートを習った記事がもっと出てきて欲しい。
新型リーフ、実電費はカタログ値の7割だった【試乗記】 (ダイヤモンド・オンライン) - Yahoo!ニュース
走行しながら、カメラが安定して車線を認識すると自動的にステアリング操作の介入モードに切り替わる。白線が薄くなっていたり、交差点で途切れたりすると、このモードは解除されるが、再び白線を認識すれば自動で復帰する。ステアリングの介入は、先に導入されたセレナのプロパイロットより洗練された。セレナの制御よりなめらかな動きになっている。が、これは慣れないと人にハンドルを動かされている感覚なので、嫌う人はいるだろう。

以下の記述など、まさに私の望んだ内容だ。
プロパイロットに限らず、この手のステアリング自動制御は、白線を認識しながらなので、いわゆるソーイングのようなハンドル制御になる。人間の場合は、先のコーナーまで読んで(読まなくてもぶつからなければ)、白線なりのハンドル制御にはならない。この操作方法の違いは個人差もあるので、違和感を持つ人は存在する。AIがさらに進化して、S字コーナーをより先の状況まで読んで、かつ切り始めのタイヤのスリップアングルをセンシングし、修正のいらない最適なステアリング操作を決めたとしても「自分の操作とちがう」と感じる類のものだ。

ただし、制御のベースがカメラ画像による前車の有無と設定速度であるため、一般道ではドライバーが操作する頻度がどうしても上がる。たとえば左から合流車両があっても、車線に入り込むまでカメラは前走車と認識せず、こちらが譲ろうと思っているタイミングより減速が遅れることがある。ちょっとでも入ってくれば、人間より見落としはないので危険ではないのだが、自動運転の制御を読んだ操作が必要だ。

以下の最後に微調整すればいいと書いてあるけど、私はこれは嫌だ。私好みに調整できて初めて自動駐車だ。
このとき、手はハンドルから離す。アクセル、ブレーキ、ステアリングは完全自動となる。制御は左右のミラーに取り付けられたアラウンドビュー用カメラの画像と超音波によるコーナーセンサーで行われる。そのため、駐車終了となっても後ろの間が少し空き気味のときもある。そのような場合は、手動で微調整すればいい。

下のプリセットができないなどというのは、私に言わせればまd商品としては完成していないレベルのインターフェースだ。こんな開発中のものを市場に投入することができるのは今のうちだけだろう、数年もしたら、こんなものでは誰も満足しない。でも、市場に出してブラッシュアップしていかないとスフとウェアは成熟レベルにはいかないものだ。
改善したい点としては、自動認識した以外のスポットを設定するのに少し時間が必要なこと。駐車枠の微調整は、画面上の矢印キーを使うのだが、路上での縦列駐車などで後ろのクルマを止めて行うようなとき、駐車枠の微調整で焦りがちだ。枠そのものをドラッグして好きな場所に設定できるようにしてほしい。また、自宅の駐車場が自動認識されないような場合、記憶した駐車枠のプリセットができるとさらにいい。総じて駐車枠の自動認識が高度になってくれればいい。
駐車シーケンスも調べた範囲では、縦列、車庫入れの基本的な動きが1パターンずつしか確認できなかった。狭い路地などの車庫入れなどで小さい切り返しを何度も繰り返す必要があるパターンなど、周辺の可動スペースを考慮したシーケンスを何種類か自動で選択してくれると、さらに利用範囲が広がる。

色々書いたけど、この記事を書いた人間は他のジャーナリストよりインターフェースについて何を評価すべきがわかっているようだ。やっとそういうジャーナリストに巡り合ったという感じだ。ITジャーナリストと書いてあるけど、自動車評論家でないからインターフェースに関しては鋭い視点を持っているのかな。世の中ひどいインターフェースが溢れている。
おかげさまで、私もmリーフの自動運転レベルは試乗して自分で確認したくなった。
ちなみに、タイトルも電費云々と書いてあるけど、電費に関しては私は何の興味もない。「ふ〜ん」という感じである。電費も燃費も運転の仕方で2割3割変わってしまうから、ジャーナリストのコメントなんて何の価値もないし、カタログデータも何の価値もないと私は思っている。