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2023年10月に読んだ本

2023-11-01 | Books
10月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2111
ナイス数:52

ガラスの街 (新潮文庫)ガラスの街 (新潮文庫)感想
★★★★☆以前「シティ・オブ・グラス」を読んだが柴田元幸訳で再読。出だしだけしか覚えていなかった。他者と間違えられて探偵として行動を始めるが、探偵小説と思って読んでいると事件はいつまでたっても解決しない。作家としての自分と自身の作品の探偵と、間違えられた相手は探偵ではなく作家だった、というもうひとりの自分ともいえる人物が登場するが、自分自身が消失してしまう。なんとも不可解な話だ。
読了日:10月30日 著者:ポール オースター
老後とピアノ老後とピアノ感想
★★★★☆新聞社を退職後に40年ぶりにピアノを習う同時進行のエッセイ。自分も60歳を過ぎて楽器を(ピアノではないが)やり始めたので、その気持ち分かると思いながら読む。最後に「今、この場所を、この瞬間を楽しめば良いではないか!」の言葉に励まされる。
読了日:10月25日 著者:稲垣 えみ子
宗教なんかこわくない! (ちくま文庫)宗教なんかこわくない! (ちくま文庫)感想
★★★★☆再読。次に何を読もうかと書棚をみていてたまたま目に入って読むことに。オウム真理教事件について書かれているが、それを飛び越えて宗教とはどういうものかを語っている。覚えていないのだが「はっきりしているのは、『日本人に一番必要なものは“宗教”ではなく、“自分の頭でものを考える”という習性である』ということだ。」という一文に赤線が引いてある。これっていまでもそうだよな、と思わざるを得ない。
読了日:10月22日 著者:橋本治
ぼくたちがコロナを知らなかったころ (集英社文庫)ぼくたちがコロナを知らなかったころ (集英社文庫)感想
★★★★☆吉田修一のエッセイは初めて。タイトルのとおりコロナが蔓延する前までに書かれたもの。そういえば何も気にすることなく出かけて、人と会っていたことを懐かしく思う。
読了日:10月17日 著者:吉田 修一
客観性の落とし穴 (ちくまプリマー新書 427)客観性の落とし穴 (ちくまプリマー新書 427)感想
★★★★☆議論や討論、発表へのツッコミに客観性、エビデンスという言葉が使われるが、その違和感を著者の専門と実践から考えていく。
読了日:10月13日 著者:村上 靖彦
円: 劉慈欣短篇集 (ハヤカワ文庫SF SFリ 6-1)円: 劉慈欣短篇集 (ハヤカワ文庫SF SFリ 6-1)感想
★★★★☆「三体」の印象が強烈だったので、短編も宇宙SFものかと思っていたが、バラエティに富んでいた。「円」は評判通り面白い。他には「カオスの蝶」「詩雲」「栄光と夢」が気に入った。「円円のシャボン玉」のちょっと明るいテイストもなかなかだ。
読了日:10月10日 著者:劉 慈欣
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)新装版 (新潮文庫)世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(下)新装版 (新潮文庫)感想
★★★★☆壁に囲まれた街で心を持たない住人に投げ込まれた僕と、理由もわからず巻き込まれていく私の、静と動のふたつの物語が絡み合う。「世界の終り」は最新作の『街とその不確かな壁』にも通ずるものがあった。「ハードボイルド・ワンダーランド」の活劇は地下深く潜っていくモチーフで、初期の頃から変わっていないことがわかる。
読了日:10月02日 著者:村上 春樹

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