Blog.たかたか

本のこと、音楽のこと、楽器のこと・・・

2022年8月に読んだ本

2022-09-01 | Books
8月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2586
ナイス数:33

短歌と俳句の五十番勝負 (新潮文庫)短歌と俳句の五十番勝負 (新潮文庫)感想
★★★★☆ひとつのお題に対して俳句と短歌をつくるという趣向は、その違いを気づかせてくれたが、それよりも作者の作風の違いが大きいものなのかどうかは分からなかった。ちょっとやってみてもいいかも。
読了日:08月31日 著者:穂村 弘
彼女の思い出/逆さまの森 (新潮モダン・クラシックス)彼女の思い出/逆さまの森 (新潮モダン・クラシックス)感想
★★★★☆書かれたのが1940年代、第一次と第二次の世界大戦の前後だ。従軍経験があるサリンジャーがその作品に反映されているように思う。個人的には「ブルー・メロディー」と「逆さまの森」が気に入った。
読了日:08月30日 著者:J・D・サリンジャー
おかえり横道世之介 (中公文庫 よ 43-5)おかえり横道世之介 (中公文庫 よ 43-5)感想
★★★★☆大学を1年留年し卒業した与之介。アルバイトで生活している彼にコモロン、浜ちゃん、そして桜子、亮太という魅力的な人たちが登場する。彼の人柄に惹きつけられるように。今回も大学卒業後の1年ともう彼が不在である17年後に開催された東京オリンピック、パラリンピックの出来事を語ることにより、いっそう与之介の魅力を感じることができる。
読了日:08月26日 著者:吉田 修一
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)感想
★★★★☆先週書店で平積みになっているのを見て、ウクライナの小説ということで読んでみた。ウクライナがロシアから独立した直後のであり、著者がロシア生まれでウクライナにいながらロシア語で書かれたという。動物園から譲り受けた皇帝ペンギンをペットにしている売れない小説家が奇妙な仕事を引き受けたことで巻き込まれる日常で、ペンギンは何をするわけでもないのだが、不思議にその存在感の大きさが後まで残る。
読了日:08月23日 著者:アンドレイ・クルコフ
終止符のない人生終止符のない人生感想
★★★★☆昨年のショパンコンクールを思い出させる。彼のみならず小林愛実さんをはじめとする日本人勢の活躍を予選から追いかけたが、彼がどのようにコンクールに取り組んでいたのかを余すことなく話してくれている。これからの音楽界をどのようにしたいのか、明確なビジョンを持っている彼を応援したくなる。
読了日:08月18日 著者:反田 恭平
橙が実るまで橙が実るまで感想
★★★★☆著者の記憶にまつわるエッセイ。祖父母、父母との思い出や看取りについて、自身の幼い頃の記憶など、静謐な筆致で書かれている。それらを書くことで記憶を呼び戻し、定着させようとしているように。
読了日:08月15日 著者:田尻 久子
コモンの再生コモンの再生感想
★★★★☆コモンという考え方は日本にもあったのだろうか?土地の神話にとりつかれている日本に根付くことができるのか。ベーシックインカムも高等教育の無償化も。
読了日:08月10日 著者:内田 樹
本が語ること、語らせること本が語ること、語らせること感想
★★★★☆図書館とは、「本を媒介にして人と人とが交感する場」という。付箋をつけたままの図書館本はまさしく本を介しての対話を静かに待っている存在と言えるかもしれない。
読了日:08月07日 著者:青木海青子,青木真兵
ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く (単行本)ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く (単行本)感想
★★★★☆ロシアのダブルスパイがイギリスで暗殺未遂となる事件を、ネット上にある痕跡を追いかけることで犯人を突き止める。シリアの戦争犯罪の証拠を積み上げる。個人の興味から始めた調査が協力者を巻き込むことによって、国家の犯罪であることを突きつけていく道のりが示されている。いまのロシアによるウクライナ侵攻の真相をベリングキャットは迫ることができるのだろうか? 日本でもこのような調査組織が立ち上げられることを期待したい。
読了日:08月05日 著者:エリオット・ヒギンズ

読書メーター
コメント